自転車避けると「交通違反」になる!? 改正道交法から半年で「黄色線」が“白線”に変更へ! 調査で判明した「7割はみ出し」のジレンマ! 警察も動いた「都内1700km」見直しの全貌とは!
自転車を追い抜く際の新ルールが施行されておよそ半年。「安全な間隔を確保しようとすると、別の交通違反になりかねない」そんなジレンマを受け、道路標示を見直す動きが始まっています。
自転車とは「1メートル」空けろ!? 半年で変わったドライバーの運転感覚
車道の左端を走る自転車に追いついたとき、どのくらい間隔を空けるべきか。以前より意識するようになったドライバーは多いのではないでしょうか。
きっかけは、2026年4月1日に施行された改正道路交通法です。
自動車などが自転車の右側を通過する際、十分な間隔を確保できない場合には、その間隔に応じた安全な速度で走ることが義務づけられました。自転車側にも、できる限り道路の左側端に寄って通行する義務があります。
なお、新規定が直接対象とするのは、法律上の「追い越し」を除く側方通過です。進路変更を伴う追い越しには従来の規定が適用されますが、いずれも自転車の安全に配慮する必要があることに変わりはありません。
警察庁が示す目安は、側方間隔が少なくとも1メートル程度。確保できない場合は時速20~30キロメートル程度で走行することが推奨されています。
ただし、どちらも一律の法定数値ではありません。大切なのは、数字を機械的に守ることではなく、道路や交通状況に応じて安全を確保することです。
施行直後は、新ルールへの戸惑いも感じられました。自転車との間隔を確保しようと、対向車線へ大きく膨らんで通過するクルマも目についたものです。
安全を優先した結果なのでしょう。それでも、そこまで大きくよける必要があるのか、自転車だけでなく対向車のことも気になったものです。
![ドライバーの運転感覚も半年で変わった?[画像はイメージ/Photo:おくやまひろし/PIXTA]](https://kuruma-news.jp/wp-content/uploads/2027/07/pixta_139878436_M.jpg?v=1785292161)
ところが、半年も経つと不思議なもので、こちらの感覚も変わってきます。
最近は極端に大きく膨らむクルマも減ったように感じますが、適切な間隔をつかんできたのか、単に警戒心が薄れただけなのか。運転中の印象なので、実際のところは分かりません。
もちろん、自転車の安全確保は大前提。ただ、そのために対向車を危険にさらしては本末転倒です。
そもそも、ドライバーがいくら注意しても、安全な間隔を確保しにくい道路があることも見逃せません。
「黄色線」が「白線」に!? 新ルールが浮き彫りにした道路のジレンマ
自転車との間隔を十分に空けたいけれど、黄色いセンターラインがある道路では、対向車線にはみ出しての追い越しが禁止されています。自転車との間隔を確保しようとした結果、別の交通違反になってしまうケースがあるのです。
実際、ある報道機関が2026年6月に東京都内の道路を4時間調査したところ、自転車の横を通過した80台のうち58台が黄色いセンターラインを越えていたといいます。
実に7割以上を占めていた訳で、安全な間隔の確保と、従来の道路規制との両立がいかに難しいかを考えさせられる数字です。
こうした問題を受け、警察も動き始めました。
同年9月、大手新聞紙上などで報じられた情報によると、警視庁は東京都内に約1700キロある黄色いセンターラインの区間を調査し、少なくとも半数程度を複数年かけて白線に変更する方針を明らかにしたといいます。
警察庁も、必要に応じて規制の解除を検討するよう全国の警察に指示しています。
もっとも、黄色線を白線に変えれば、それで解決というわけではありません。
もともと黄色線には、対向車線へのはみ出しを制限する理由があります。規制を解除すれば、自転車との間隔を確保しやすくなる一方、対向車との安全確認がより重要になります。
白線に変えても、道路の幅まで広くなるわけではないのです。
今回の見直しで興味深いのは、安全のために設けられた規制が、別の安全対策を難しくしているという点です。黄色線にも、新しい側方通過のルールにも、それぞれ守るべき理由があります。
ならば、見直すべきはセンターラインの色だけではないはずです。見通しのよい道路では規制の解除を検討し、道幅が足りない道路では自転車の通行空間そのものを整える必要があります。
以前、東京ビッグサイトへ向かう途中、歩道が驚くほど広い橋を通ったことがあります。
一方、車道には自転車の通行位置を示す青い矢羽根マーク。自転車専用レーンではないものの、歩道の広さを見て、ほかにも安全な通行空間のつくり方があるのではないかと感じました。
もちろん、自転車は車道通行が原則で、歩道では歩行者が優先です。歩道が広いというだけで判断できる話ではありませんが、道路の構造や交通量に応じて、もう少し工夫できる場所もありそうです。
※ ※ ※
新ルールの施行からおよそ半年。ドライバーには運転の仕方を変えることが求められました。
今度は、その舞台となる道路をどう変えていく必要があるのでしょうか。センターラインの塗り直しは、まだ第一歩なのかもしれません。
Writer: のぐち まさひろ
ゴルフとサウナと愛犬のチョコをこよなく愛するライター&ディレクター。20年ほど従事したクルマ系メディアの編集者からフリーランスになり、これから何をしていこうか色々と妄想中。SAJスキー検定1級/国内A級ライセンス/小型船舶2級/サウナスパ健康アドバイザー所持。ホームコースは「南総カントリークラブ」で、直近1年間のハンデ推移は「7.7」→「8.6」→「7.1」→「5.6」。









































