マイナ免許証の導入から1年半! メリット大でも「これ一本」に絞れないリアルな事情とは? 「持った方が良いのか分からない」との声も
2025年3月にマイナ免許証の運用が開始されてから1年半が経過しました。マイナ免許証の保有者数は増加していますが、運転免許保有者からは「結局マイナ免許証を持てば良いのか分からない」といった戸惑いの声も上がっています。保有するメリット・デメリットについて、改めて解説します。
保有者は400万人を突破! メリットの一方、注意点も
2025年3月24日にマイナンバーカードと運転免許証を一体化した「マイナ免許証」の運用が開始されてから、1年半が経過しました。
マイナ免許証は、マイナンバーカードのICチップに免許証番号や免許の種類などの免許情報を記録したもので、見た目はマイナンバーカードのままですが、運転免許証としても利用できます。
なお、マイナ免許証の運用開始に伴い、運転免許保有者は免許証の持ち方を、次の3つから選べるようになりました。
1. マイナ免許証のみ保有
2. マイナ免許証と従来の免許証の両方を保有(2枚持ち)
3. 従来の免許証のみ保有
また、警察庁の統計によると、マイナ免許証の保有者数は2025年3月末の11万7589人から大幅に増加し、2026年8月末時点は全国で400万4168人となりました。
さらにマイナ免許証保有者のうち、「マイナ免許証のみ」保有している人は110万3304人、マイナ免許証と従来の免許証の両方を保有する「2枚持ち」の人は290万864人であり、全体の7割以上が2枚持ちをしている状況が明らかになっています。
このようにマイナ免許証の保有者数が増加する一方で、一部の運転免許保有者からは「マイナ免許証って何かメリットがあるの?」「結局、マイナ免許証を持った方が良いのか分からない」といった戸惑いの声も上がっています。
では、マイナ免許証には一体どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

まず、マイナ免許証を持つことのメリットとして、大きく以下の4点が挙げられます。
1. 住所・氏名の変更手続きがワンストップ化され、市区町村に届け出れば警察への変更届出が不要となる(マイナ免許証のみを保有する場合)
2. 免許更新時の運転者講習をオンラインで受講できる(優良運転者・一般運転者に該当する人が対象)
3. 免許証の住所地以外の都道府県でおこなう免許証の更新手続(経由地更新)が迅速化され、経由地更新の申請ができる期間が延長される
4. 免許更新時の手数料が安くなる
上記1について、引っ越しや結婚などに伴って住所・氏名を変更する場合、従来はマイナンバーカードを市区町村役場で、運転免許証を警察施設でそれぞれ手続きする必要がありましたが、マイナ免許証のみ保有している場合は、それらの手続きが市区町村役場で完結します。
また、上記2については、これまで運転免許センターなどで受講していた運転者講習を好きな場所、好きな時間にパソコンやスマートフォンからオンラインで受講できる制度です。
オンライン化できるのはあくまで講習部分のみであり、視力検査や写真撮影といった更新手続きは警察施設でおこなわなければなりませんが、小さな子どもを持つ親などからは「子どもを寝かしつけた後に家でゆっくり受講できたからありがたかった」といった声も上がっています。
加えて、上記3については、マイナ免許証を持っていれば、転勤や家庭の都合などで免許証の住所地以外に住んでいる人でも免許更新の手続き(経由地更新)がしやすくなるというものです。
マイナ免許証が導入される以前は優良運転者しか経由地更新ができなかったうえ、免許更新期間も通常より1か月短い状況でしたが、現在は一般運転者も経由地更新ができるようになったほか、マイナ免許証を持っていれば通常と同じ免許更新期間で手続きができます。
そして、上記4の免許更新時の手数料に関しては、マイナ免許証のみを保有している場合が2100円、2枚持ちの場合が2950円、従来の免許証のみを保有している場合が2850円であり、マイナ免許証のみを保有するケースが最も安くなります。
これらを踏まえるとマイナ免許証は、転勤や引っ越しが多い人のほか、単身赴任で免許証の住所地とは別の都道府県に住んでいる人、手続きをできるだけオンライン化したい人、カード類をなるべく少なくしたい人などに向いているといえそうです。
その一方で、マイナ免許証のみを保有する場合に気をつけたいのが、マイナ免許証の紛失です。
マイナ免許証の再交付を受ける場合、まず市区町村役場でマイナンバーカードの再交付を受けてから、警察でそのマイナンバーカードに免許情報を記録するという手続きが必要になります。
現在、マイナンバーカードの再交付には早くても1週間程度の期間を要することから、その間は車両の運転ができなくなる可能性があります(ただし、従来の免許証を警察で即日発行してもらう場合を除く)。
また、レンタカー会社やカーシェア会社によっては、マイナ免許証のみでのサービス利用ができないケースもあるため、その点は注意しなければなりません。
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マイナ免許証の持ち方をめぐってはSNS上で、「マイナ免許証にするか、従来の免許証のままにするか悩む」といった趣旨の投稿が多くみられました。
マイナ免許証のメリットやデメリットを理解した上で、引っ越しの機会が多いのか、日常的にクルマやバイクを運転するかなど、自身のライフスタイルに合わせて免許証の持ち方を選択していくことが大切です。
Writer: 元警察官はる
2022年4月からウェブライターとして活動を開始。元警察官の経歴を活かし、ニュースで話題となっている交通事件や交通違反、運転免許制度に関する解説など、法律・安全分野の記事を中心に執筆しています。難しい法律や制度をやさしく伝え、読者にとって分かりやすい記事の執筆を心がけています。



















