ホンダの「“元祖”スクランブラー」が凄かった! 「悪路1500km完走」で信頼性抜群! 250cc「2気筒エンジン」搭載の「ドリームCL72スクランブラー」とは
1962年にアメリカで発売されたホンダ「ドリームCL72スクランブラー」は、メキシコの悪路を約1500km走り切ってその高性能と耐久性を証明しました。その後60年以上の時を経て、オマージュモデルも登場します。
今こそ注目!! ホンダ「CL」シリーズのルーツ
ホンダが四輪事業へと進出したのは、1962年のことです。その舞台はこの年に開業した「鈴鹿サーキット」で、「S360」のプロトタイプがレーシングコースを走り抜け、そのハンドルを握っていたのは本田宗一郎でした。
すでに二輪メーカーとして確固たる地位を獲得したホンダは、1959年に北米市場へ進出します。その3年後の1962年に、ストリートスクランブラーとして「DREAM CL72 SCRAMBLER(ドリームCL72スクランブラー)」をアメリカで市販しました。これが後に続く「CL」シリーズのルーツとなります。
エンジンは排気量250ccクラスのスポーツモデル「ドリームCB72スーパースポーツ」の並列2気筒SOHCをベースに使用し、フレームはエンジン前方にシングルクレードルパイプが回り込むバックボーン式の専用設計です。
前後19インチのブロックパターンタイヤや、ブリッジバー付きのワイドハンドル、ヒートガードを装着したアップマフラーなど、ダートバイクとしての要素を備え、153kgと比較的軽量な車体で、舗装路からダートまで、道を選ばずに楽しめる「CL72」は、国内外で大人気となりました。

アメリカで市販されると、ロサンゼルスのホンダ販売店でメキシコのバハ半島をほぼノンストップで走る冒険旅行が計画されました。2人の若者が2台の「CL72」と共に、岩山や砂漠が延々と続く約1500kmを40時間で走破し、それが後の「BAJA 1000(バハ1000)」と呼ばれるビッグオフロードレースのルーツとなる、伝説的ストーリーとなりました。
ホンダとしてはダート走行用装備を施した第一世代的なオフモデルでもあります。1500kmの悪路の旅には4ストロークの2気筒エンジンを搭載したスクランブラーである「CL72」が適しており、そのタフネスさと高い走破性能を証明したのです。
近年では当時のスクランブラースタイルを模した最新バイクが注目を集めています。ホンダも2023年に「レブル250」と「レブル500」をベースにした「CL250」と「CL500」を発売し、「CL」の冠は現代へと受け継がれています。
ホンダ「ドリームCL72スクランブラー」(1964年型)の当時の販売価格は18万9000円です。
【主要諸元】
エンジン種類:空冷4ストローク並列2気筒OHC
総排気量:247cc
最高出力:24PS/9000rpm
最大トルク:2.06kg-m/7500rpm
変速機形式:常時噛合4段リターン式
始動方式:キック式
全長×全幅×全高:2000×815×1070mm
車両重量:153kg
燃料タンク容量:10.5リットル
フレーム形式:バックボーンパイプ式
タイヤサイズ(前):3.00-19
タイヤサイズ(後):3.50-19
【取材協力】
ホンダコレクションホール(栃木県/モビリティリゾートもてぎ内)
Writer: 柴田直行
カメラマン。80年代のブームに乗じてバイク雑誌業界へ。前半の20年はモトクロス専門誌「ダートクール」を立ち上げアメリカでレースを撮影。後半の20年は多数のバイクメディアでインプレからツーリング、カスタムまでバイクライフ全般を撮影。休日は愛車のホンダ「GB350」でのんびりライディングを楽しむ。日本レース写真家協会会員

















