ホンダ「N-BOX」の狙い目グレードは? 人気No.1軽自動車の損をしない買い方や競合分析、リセールまで徹底ガイド【知って得するクルマ選び vol.1】

日本一売れている軽自動車、ホンダ「N-BOX」。グレード展開が豊富な人気車だからこそ、損をしない買い方を押さえておきたいところです。本記事ではカーライフ・ジャーナリストの渡辺陽一郎氏が、標準・カスタム・ジョイの各モデル比較をはじめ、コスパ抜群なターボ仕様の魅力、競合車との商談術や残価設定ローン、高値売却のコツまで徹底解説します。

N-BOXの“得する買い方”とは?

 ホンダ「N-BOX」は、現在日本で最も多く売れている車種です。先代型が発売された2017年以降、ほぼ一貫して、国内の年間販売1位であり続けています。

ホンダ N-BOXをお得に手に入れるには?(左からJOY、CUSTOM)

 好調な販売の背景には、複数の理由があります。一番の注目点は、全高が1700mmを超える軽自動車であることです。

 小さなボディで運転しやすく、なおかつ背が高いために車内は広々。4名で快適に乗車できて、後席をワンタッチで格納すると、自転車も積める大容量の荷室になります。

 ちなみに2026年1〜8月の国内販売状況を見ると、軽自動車が国内全体の35%を占めます。そして軽乗用車の半数以上が、N-BOX、スズキ「スペーシア」、ダイハツ「タント」など、全高が1700mmを超えるスライドドアを備えたスーパーハイトワゴンです。

 つまりN-BOXは、売れ筋カテゴリーの代表車種なので販売も好調というわけです。国内の最多販売車種ですから、購入を考えている方も多いでしょう。そこでN-BOXの“得する買い方”を考えてみましょう。

どのグレードがおすすめ? ターボを選ぶべき理由とは

 まずN-BOXのグレード選びです。N-BOXには、標準ボディ、エアロパーツを装着したCUSTOM(カスタム)、フロントマスクなどに変更を加えてシートや荷室をチェック柄に仕上げたJOY(ジョイ)があります。

ホンダ N-BOX JOY

 この内、ジョイは最も個性的です。駐車中に後席を格納して、荷室でリラックスして過ごすことを前提にしています。そこで荷室の床を部分的に80mm持ち上げて、平らに仕上げました。荷室の床も標準ボディやカスタムに比べると柔軟で、小部屋として使っている時の快適な居住性に配慮しています。

 4名乗車や荷物の積載も含めて、街中の移動に使うなら176万8800円(価格はすべて税込、以下同)の標準ボディが買い得です。メーカーオプションの9インチホンダコネクトナビ+ETC2.0車載器、マルチビューカメラシステム、右側スライドドアの電動機能や後席アームレストなどを装着すると、36万7400円の上乗せで、車両価格と合計した金額は213万6200円です。

 人気のグレードには、専用デザインのフロントマスク、エアロパーツ、アルミホイールなどにより、内外装をカッコ良く仕上げたカスタム(199万4300円)があります。

 標準ボディと同じく、メーカーオプションの9インチホンダコネクトナビ+ETC2.0車載器、マルチビューカメラシステム、右側スライドドアの電動機能などを加えると、35万5300円の上乗せです。車両価格との合計金額は234万9600円で、標準ボディの購入総額に比べて21万3400円高くなります。

ホンダ N-BOX CUSTOM

 そしてカスタムを選ぶ時は、標準ボディに設定されないカスタムターボ(243万6500円)を積極的に検討しましょう。

 価格はノーマルエンジンのカスタムよりも44万2200円高くなりますが、この金額はターボ分だけの価格アップではありません。

 カスタムターボには、カスタムではオプションの9インチホンダコネクトナビ+ETC2.0車載器、右側スライドドアの電動機能などが標準装着されるからです。カスタムターボに加える必要があるのはマルチビューカメラシステムの7万2600円だけで、車両価格との合計金額は250万9100円です。

 カスタムのノーマルエンジン車は、車両価格とオプション価格の合計金額が前述の234万9600円ですから、カスタムターボの合計金額は15万9500円高くなっています。

 この15万9500円を加えることで、ターボエンジンが搭載され、パドルシフト、本革巻きステアリングホイール、後席アームレストも追加装着されます。さらにアルミホイールのサイズは14インチから15インチに拡大され、シート生地はプライムスムースとスエード調トリコットに上級化されます。このように各種の装備や内装の質も高まるので、ターボの正味価格は約9万円です。

 N-BOXのターボは、ノーマルエンジンに比べて、実走行における動力性能を左右する最大トルクが1.6倍の10.6kg-mに向上します。その一方でWLTCモード燃費は20km/Lですから、ノーマルエンジンと比べた時の燃費悪化率は6%と少ない数値にとどまっています。この高効率なターボが実質9万円で手に入るなら割安です。

 一般的にターボは動力性能を高めるスポーツ指向のメカニズムですが、軽自動車では役割が異なります。軽自動車の排気量は、車両重量の割に660ccと極端に小さく、エンジンの負担も大きくなります。

 そのためにノーマルエンジンでは、動力性能と燃費が両方ともに悪化しますが、ターボの装着には排気量の拡大と同等の効果があります。つまり軽自動車のターボは、排気量が小さい欠点を補う実用性の優れたメカニズムなのです。

軽のターボは実用性の優れたメカニズム!

 従ってN-BOXのカスタムやジョイを選ぶ時は、ターボも検討しましょう。特に自宅周辺に登り坂が多かったり、高速道路やバイパスを利用するユーザーには、ターボが適しています。販売店の試乗車を使って、ノーマルエンジンとターボを乗り比べてみてください。

 N-BOXのグレード選びの結論は、街中の平坦路を中心に走るなら標準ボディ(176万8800円)です。ナビもディーラーオプションであれば、ディスプレイオーディオを含めて、10万円前後のタイプを選べます。

 カッコイイ上級グレードが欲しいならカスタムターボ(243万6500円)。景色の良い駐車場などでリラックスした時間を過ごしたいならジョイターボ(245万6300円)を検討すると良いでしょう。

出費を抑えて使いたいなら“残価設定ローン”

 得する買い方、使い方としては、残価設定ローンの利用が挙げられます。残価設定ローンは、3〜5年後の残価(残存価値)を設定して、残価を除いた金額を分割返済するローンです。残価を支払わないため、返済期間を終えても車両は自分の所有になりませんが、月々の返済額が安くなります。

 返済期間を終えた時は、車両を返却する、残価を支払って買い取る、改めてローンを組んで返済を続けるという選択肢があります。多くのユーザーは、車両を返却して、別の新車で残価設定ローンを組みます。残価を支払わずに返却するなら、残価が高く、月々の返済額を抑えられる車種が得です。

 2026年9月中旬におけるN-BOXの残価は、3年後で新車価格の55%、5年後は42%です。一般的な残価は、3年後なら新車価格の41〜48%、5年後は26〜31%ですから、N-BOXの55%・42%は優れた部類に入ります。出費を抑えてN-BOXを使いたいなら、残価設定ローンの利用が効果的です。

ライバル車の存在が商談に効く!

 販売店でN-BOXの購入商談をする時は、スズキ スペーシアやダイハツ タントといったライバル車との選択に迷っている話もしましょう。N-BOXの標準ボディを買うなら、ほぼ同じ価格のスペーシアX(170万5000円)、タントX(162万8000円)を引き合いに出します。

 軽自動車のスーパーハイトワゴンは実用重視の車種ですから、ユーザーも価格や諸費用をシビアに判断します。ライバル車の話題を持ち出すと効果的で、車両本体価格からの値引き、下取り車の査定アップなどが捗ります。

 なおディーラーオプションの価格には、販売店の利益が多く含まれ、もともと割高に設定されています。そのためにディーラーオプションは、メーカーオプションに比べて、多額の値引きを引き出せます。

 N-BOXの納期を販売店に尋ねると「大半のグレードが1か月半以内に収まり、ターボエンジンの4WDといった組み合わせでも約3か月です」とのこと。軽自動車は、「ジムニー」などを除くと納期が全般的に短く、N-BOXも購入しやすい状況です。

 購入してから数年後に売却する時の価値は未知数ですが、N-BOXは中古車市場でも人気が安定的に高いモデルです。そのために前述の通り、残価設定ローンの残価も高められています。高い残価は、有利な条件で売却できる可能性が高いことを示しています。

高値で売却したいならどのグレード&カラー?

 高値で売却したいなら、グレードは標準ボディやジョイよりも人気の高いカスタムターボを推奨します。ボディカラーも人気色のプラチナホワイトパールが最適です。2位はクリスタルブラックパールになります。

N-BOX CUSTOM ターボ(プラチナホワイト・パール)
N-BOX CUSTOM ターボ(クリスタルブラック・パール)

 従って購入して3〜5年で売却するなら、購入する仕様は、カスタムターボのプラチナホワイトパールがベストです。

 逆に7年以上を経過すると、売却額が全体的に下がり、グレードやボディカラーの差も縮まります。長く乗るなら、純粋に好きな仕様を選べば良いわけです。

【画像】ホンダ N-BOXシリーズ 各グレードの内外装を写真で見る!(26枚)

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Writer: 渡辺陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。

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