いったい何が… 「NSX GT3」不運なトラブルに巻き込まれる スーパーGT 第5戦富士 [PR]

8月4日(土)、スーパーGT 第5戦 FUJI GT500MILE RACEの予選が開催されました。第4戦でもポイントを取り、この富士でも好成績を期待されていた♯34 Modulo KENWOOD NSX GT3が公式練習中にまさかのトラブルに巻き込まれました。

練習走行中にまさかのトラブルに巻き込まれる…

 8月4日(土)、スーパーGT 第5戦 FUJI GT500MILE RACEの予選が開催されました。例年富士ラウンドは2回のレースが開催され、そのうちのひとつが500kmという距離で争われていましたが、今回は同じ500でも500マイル。鈴鹿1000kmが今年から10時間耐久レースとなりスーパーGTのシリーズ戦から独立したため、一番長いレースがこの富士スピードウェイで行われることとなりました。

大クラッシュ後、ピットに引き上げられる♯34 Modulo KENWOOD NSX GT3

 ♯34 Modulo KENWOOD NSX GT3は第4戦 タイラウンドで2ポイント(9位)を獲得したことから、現在ドライバーズランキングで16位、チームランキング(12ポイント)で14位。NSX GT3のセッティングも徐々によくなってきており、ストレートスピードが活かせる富士での活躍が期待されました。

■公式練習走行

 8:40から始まった公式練習走行では、エースである道上 龍選手がドライバーを務め予選・決勝に向けた準備に取りかかりました。

 しかし9:10を過ぎた頃、思いもよらぬアクシデントがNSX GT3に襲いかかりました。

 1セット目のタイヤ確認が終わり、次のタイヤを履いてピットレーンを後にした道上選手。1コーナーをイン側縁石に沿って周り、2コーナーから加速体制に入ろうとしていたまさにそのとき、♯38 ZENT CERUMO LC500(立川裕路選手)が♯34 Modulo KENWOOD NSX GT3のリアセクションに接触。両車ともに大破してしまったのでした。

 まだ状況を精査することはできませんが、これはどうやら38号車側のマシントラブルが原因のように見えました。ブレーキング時に不具合が発生したのか1コーナーのターンインでLC500は挙動を乱し、縁石の内側をカットするように直進。そのまま減速できずにコーナリング中のNSX GT3に接触したのでした。

大クラッシュ後、ピットに引き上げられる♯34 Modulo KENWOOD NSX GT3

 マシンはかなりのダメージを受けましたが、ドライバーは両名ともに命には別状なし。走行は一時赤旗中断となりましたが、その後オフィシャルの迅速な処理により再開されました。

■道上選手のコメント

 メディカルチェックを受けてピットに戻ってきた道上選手。その表情には悔しさがにじみ出ていました。

「マシンはまだ走り出したばかりで、セッティングもこれからという状況でした。まず一回目の走行ではハード目のタイヤを試し、マシンのモニターがうまく表示されなかったのでピットに戻ってタイムを確認すると三番手だった。そこで2回目はソフト目なタイヤを試してセットに取りかかろうと思った矢先だったのですが…」

 ちなみにこのときのタイムはわずか7周目に1分38秒250が出ており、結局GT300クラスの走行が終わるまでその順位は変わりませんでした。

 つまりここからセッティングの習熟が進めば、タイムアップの可能性はかなり高かったと言えます。

「今回は持ち込みのセットもバランスが良くて、これは行ける! と手応えを感じていました。……だから本当に悔しい。決勝レースは長丁場なのでなんとしてもマシンを直して、最後尾からでもスタートしたいです…」

 そう語ってくれた道上選手でしたが、マシンはリアセクションの破損が激しく、フレームまで衝突のダメージが及んでいます。

 先ほど、マシンのダメージが大きいため、今レースはリタイアとアナウンスがありました。次戦の第6戦 菅生でまた元気な走りを見せてくれることに期待しましょう。

【了】

予期せぬトラブルに巻き込まれたNSX GT3を写真で見る(5枚)

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Writer: 山田弘樹(モータージャーナリスト)

自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。レース活動の経験を活かし、モータージャーナリストとして執筆中。並行してスーパーGTなどのレースレポートや、ドライビングスクールでの講師も行う。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。

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