踏切で活躍する電気自動車の第2の人生とは?

電気自動車「日産リーフ」の動力源であるリチウムイオンバッテリーは、クルマとしての寿命を終えた後、「第2の人生」を送っているのはご存知でしょうか?実は、その一部は再製品化され、JR東日本の鉄道路線を支える踏切装置の非常用電源としてテスト導入されているのです!リーフの再利用バッテリーにはどういったメリットがあるのか?その背景などをご紹介します。

鉄道xクルマのコラボレーション!

電車の運行や道路交通の安全に不可欠な踏切。そのため、踏切にはメンテナンス作業時や一時的な停電時でも正常に動作するよう、非常用電源が設置されています。
現在、鉛バッテリーが使用されているこの非常用電源に、「日産リーフ」の車載バッテリーを再利用する取り組みが、南相馬市を走る常磐線の愛宕踏切で2021年1月から始まりました。

EVを社会に活かす「再利用バッテリー」とは?

「日産リーフ」の動力源であるリチウムイオンバッテリーは、クルマが寿命を迎えるまで活用された後でも、新品時の60~80%の電力を貯蔵する能力が残っています。
そのバッテリーを取り出し、再製品化することで、交換用の車載バッテリーや定置型の蓄電池など、様々な用途で再利用することができます。
日産は、パートナーであるフォーアールエナジー株式会社(以下、フォーアールエナジー)とともにこの取り組みを推進しています。バッテリーを再利用すれば、新品をつくるのと比較し、CO₂の排出を低減し、希少資源の使用を削減することができます。また、使用済みのバッテリーに新たな価値を与えることで、EVの価値が高まり、その普及にも繋がります。

「再利用バッテリー」のメリット

非常用電源に「日産リーフ」の再利用バッテリーを採用することは、環境への配慮だけではなく、「非常用電源の性能向上にも繋がる」とJR東日本 研究開発センター副課長の栃原 開人さんは語ります。

再利用バッテリーは、鉛バッテリーよりコンパクトなため設置性に優れ、充電時間も約1/3へと短縮されます。そして、従来3~7年だった耐用年数は、約10年と大変長持ちするようになります。さらに期待が寄せられているのが、メンテナンス作業の効率化です。

「鉛バッテリーは、目視で充電状態や劣化具合を確認する必要があり、定期的に踏切に出向いていました。一方、再利用バッテリーは、EVと同様に制御システムが搭載されており、遠隔でもバッテリーの状態が確認できるため、メンテナンス作業の効率化が期待できます。また、低電圧になる前にバッテリーの状態を把握できるので、予防保全も可能になります」(栃原さん)

この先のストーリーは、日産ストーリーズでお楽しみください!:
 ►https://global.nissanstories.com/ja-JP/releases/used-nissan-ev-batteries-find-new-purpose
(この記事は2021年11月時点のものです)

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