1.5リッターロードスターの究極系!? 職人仕上げのエンジン搭載オートエクゼ「ND-07S」に試乗
2026年3月14日から15日の2日間にわたって、A PIT AUTOBACS SHINONOME(東京都江東区)にて「AutoExeデモカー体感試乗会」が開催されました。

3度目の開催となった今回の試乗会イベントには、ロードスター2台をはじめ、CX-80、CX-60、マツダ3、RX-8といったオートエクゼのデモカーが一堂に集結しました。事前応募で見事当選した参加者が自らステアリングを握り、オートエクゼパーツの性能を体感するという内容で実施されました。
多くのデモカーの中で、今回取材したのは最新型NDロードスター(1.5リッターモデル)をベースにしたデモカー「ND-07S」です。
オートエクゼは従来「ストリートベスト」をコンセプトに各パーツを設定しチューニングを行ってきましたが、あえてその領域を超えて「ワインディング、時々サーキット」というハード気味なチューニングの方向性を狙って仕上げたロードスターが前作「ND-06S」でした。「ND-07S」は「ND-06S」のコンセプトを受け継ぎ“ハイリミットスポーツ”としての走りを深化させた新たなフラッグシップモデルという位置づけになっています。
今回の試乗車両(ベースはSスペシャルパッケージ)にはドライカーボン製のスタイリングキットのほか、さまざまなロードスター向けパーツが装着されていました。現在開発中のプロトタイプ製品として軽量チタン製のボディ補強パーツやスポーツマフラー、ドアスタビライザーのパーツも装備されています。そんな中でも大きな注目は、発表以来話題の「ファインチューニングリビルトエンジン」が搭載されていることです。

「ファインチューニングリビルトエンジン」は、オートエクゼが「理想のフィール」を追求し、熟練の職人が1機ずつ手作業で仕立て上げる特別なエンジンです。
最大の特長は、徹底した精度管理と緻密な加工にあります。密着性と冷却性を高めるバルブシートカット(リフェースおよび面取りを含む)をはじめ、燃焼室やポートの修正研磨を実施。さらに、シリンダーごとに最適なクリアランスを保つため「ダミーヘッド付き精密ホーニング」を行っています。
加えて、クランクシャフトからフライホイールに至る回転系部品のダイナミックバランス調整や、ピストンとコンロッドの静的重量バランス調整も徹底。最新型ロードスターのマツダ純正ピストンなどを組み込み、妥協のないスペックを実現しています。
動き出す前から「これは違う……!」驚きのエンジンフィール
「ND-07S」のエンジンをスタートするとチタン製エキゾーストの乾いた抜けの良いサウンドが耳に届きますが、それと合わせてまず驚かされたのは、エンジンフィールの滑らかさです。

始動時から、エンジン自体の振動がはっきりと分かるレベルで低減されています。そこからアクセルを踏み込むと、ノーマルエンジンと比べて極めて緻密でスムーズな回転を実感できます。
その滑らかさは、標準車両より体感の回転数が1500rpmほど低く感じるほどです。レブリミットの7500rpmまで回しても、「まだ5000rpm前後しか回っていないのでは?」と錯覚するほどフリクションがなく、よどみのない回転の上がり下がりを味わえます。
実際に走り出すと、その印象はさらに強まります。今回のデモカー「ND-07S」には、ファインチューニングリビルトエンジンに加え、スポーツイグニッションコイルやラムエアインテークシステムなども装着されています。これらの相乗効果により、体感的なパワーはノーマルエンジンよりも少し向上しているように感じられました。
しかし、それ以上に印象的なのがエンジンのスムーズさとレスポンスの良さです。シフトダウンでブリッピングをした際の反応の鋭さは、電動スロットルであることを忘れてしまうほどで、かつてのワイヤ式スロットルのようなダイレクトな味わいを感じさせてくれます。

NDロードスターの1.5リッターエンジンは、もともとNAらしい気持ちのよいフィーリングを持っています。今回のチューニングでは、その低回転での扱いやすさやトルク感を全く犠牲にしていません。全域にわたってフリクションがなく、高回転のレッドゾーンまで「1.5リッターロードスターらしい速度域」で気持ちよく踏み抜ける仕上がりです。まさに、オートエクゼが目指す走りの世界観をより引き立てる逸品だと実感できました。
ちなみに驚くべきことに、このデモカーに組み合わされているフライホイールは標準仕様のままとなっています。つまり、エンジン載せ替えのタイミングでより軽量なタイプへ交換するなど、ユーザーの好みに合わせてさらに進化させる余地が残されているのもうれしいポイントと言えます。
また、「ND-07S」のフットワークにも注目です。車両コンセプトに合わせたクラブスポーツサス・キット(車高-30mm)は、「オートエクゼとしてはかなりハードな仕立て」となっています。ノーマルと比べると明確に引き締まった足回りでロールもしっかり抑えられていますが、そのローダウンされた見た目やスポーティな走りから想像する以上に、街中での乗り心地は許容範囲内に収まっています。日常的な使い勝手が全く犠牲になっていない点も見逃せません。
またプロトタイプの軽量なチタン製前後タワーバーやフロアクロスバーに加えて、今回マツダ車には初めて採用となるドアスタビライザーも装着されており、屋根をオープンにした際の剛性感、コーナリング時のしっかり感もノーマル車両とは別モノの印象です。
路面が荒れた場所を通過する際にも、足回りははっきりと硬めながらボディ全体がより引き締められており、ブルっとくる振動減衰が一発ですぐに収束するために不快な印象がなく、スポーティなだけでなく高級感のある乗り味が体感できました。

ちょうど同時期に、オートエクゼ「ND-07S」とノーマル車両の乗り比べに加え、2リッターエンジンを搭載する「MSRロードスター」「MSRロードスター12R」に試乗する機会にも恵まれました。そのため間接的ではありますが、それぞれの個性を比較することができました。
絶対的な速さという点では、やはり排気量で勝るMSRに軍配が上がります。しかし、ファインチューニングリビルトエンジンを搭載したオートエクゼの「ND-07S」には、“1.5リッターの排気量にこだわり、速さだけではない気持ちよさを追求する”という、NDロードスターにおける一つの究極の形が具現化されていると実感しました。

開発中となっているプロトタイプ製品は「2026年春」の販売を目指して現在最終段階に差しかかっているとのことで、今後の情報展開に期待したいです。
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