新世代エモーショナル・デイリーコンフォート
近年のマツダ車のイメージと言えば、走行性能とデザインを重視したモデルが多く、クルマ好きな人には刺さるけど、万人に受けるモデルは少ない…と感じている人も多いかもしれません。
そのようなイメージを持たれているのは、マツダも承知の上だったようです。
今回の新型CX-5では「新世代エモーショナル・デイリーコンフォート」をコンセプトに掲げています。

これまでのCX-5が持っていた走りやデザインの良さといったエモーショナルな魅力はそのままに、もっと多くの人に愛される扱いやすさや快適性、最新のコネクティッドシステムや運転支援技術などを豊富に採用した新世代モデルとしての先進性をプラスする方向性で開発を進めたとのこと。
プラスされた魅力の1つであるデイリーコンフォートの部分は、ホイールベースに最も現れています。

ホイールベースは先代と比較して115mm延ばされていて、延ばされた分は後部座席やラゲッジスペースの空間拡大に大きく生かされています。
リアシートが70mm後方に配置され、足元が広げられたほか、ラゲッジスペースの奥行きも45mm長くなりベビーカーが縦に積載できるようになりました。
そして、プラスされたもう1つの魅力である新世代価値の部分は、12.9インチ(上級グレードLの場合15.6インチ)と大きくなったセンターディスプレイに集約された、さまざまな機能と精度の高まった高度な運転支援システムです。
これまでのCX-5が持っていたマツダらしさはそのままに、より多くの人が使いやすいと感じる…そんなモデルへと進化したフルモデルチェンジと言えます。
座った瞬間「マツダ車だ!」と実感
試乗をするために運転席に座ってみると一瞬で「マツダ車だなぁ」と思わせるものがありました。それがドライビングポジションです。

ペダルへの足の角度やシートからステアリングまでの距離などが、SUVとしてはトップレベルで納得がいくものとなっていました。
これならば長時間運転しても疲労度は少なそうですし、クーぺやセダンから乗り換えても違和感は少ないでしょう。ドライビングポジションにこだわるマツダ車らしいファーストコンタクトと言えます。
それでいて、視界に関しても満足度が高いのが好印象でした。特に感心したのが斜め前方の視界です。

Aピラー部が先代に比べて9mm細くなっているとのことですが、この変更が大きく効いていると実感しました。
また、大きくなったセンターディスプレイも、視界にはかぶっていないので、「運転することに対するノイズがかなり少ないSUVだなぁ」というのが第一印象でした。
ドライバーだけでなく同乗者目線でも〇
走り出してみて最初に驚いたのが静粛性です。ロードノイズや風切り音などのような周辺の環境音も小さく、セグメントを超えるような静かさをもっているなと感じました。
新型CX-5は2.5リッターのマイルドハイブリッドから市場へ展開していき、本命とも言えるハイブリッドシステムを搭載したスカイアクティブZは来年登場とのことで、パワートレインに新しさはあまり感じません。

ただそれが悪いという訳ではなく、エンジンの回転とドライバーの感覚のズレのない加速を実現しています。それに加えマイルドハイブリッドは低回転域で程よくアシストしてくれるので、普通に乗る分には不満は全くでないでしょう。
しかし、ATの段数が6段となっていてライバルを考えると「もう少し多段化してほしいなぁ」と思う部分はありました。
そして”マツダ車らしい”走りの良さは健在といった印象でした。
回生ブレーキが採用されているにもかかわらず、それを思わせないほどブレーキタッチは自然かつリニア。パワーステアリングのフィーリングもインフォメーションが変化せず、フロントタイヤからの情報が分かりやすく仕上げられています。
圧倒的なインパクトはありませんが、クルマとのコミュニケーションが楽しいと思える乗り味で、徐々にその走りの良さにハマっていく感触がありました。
それでいて、マツダ車で難題として話題に上がることもある「乗り心地」は良好です。リアシートにも座ってみましたが、これならば同乗者もハッピーになれると確信した乗り心地でした。
今回の試乗で最も驚いたのが運転支援システムです。
前走車との車間を一定に保ってくれるクルージング&トラフィックサポートやプロアクティブ・ドライビングアシストなどが備わっているのですが、車間を保ってくれるためのブレーキのかけ方は運転のうまい人がコントロールしているかのようで、運転に自信がある人でも積極的に使いたくなる運転支援システムだと感じました。

新たな驚きは少ないですが、試乗時間が過ぎていくにつれ、「このクルマ良いなぁ」と思える仕上がりとなっていた新型CX-5。
その完成度は登場当初から高いところにあり、これまでマツダ車が好きだった人はもちろん、ユーティリティーやコンフォート性能、そして車格を超えた高い質感や装備内容など、ここからマツダ車を好きになっていく、そんな「ファーストマツダ」の窓口にふさわしい存在だなと感じました。





