10年選手となったNDロードスターに新たな命を吹き込む「職人技」
2025年10月4日、5日に富士スピードウェイ(静岡県小山町)を会場に開催された「マツダファンフェスタ2025」には、多くのアフターパーツメーカーやショップなどがブースを出展しました。中でも常に人だかりが絶えなかったのが、マツダのスペシャリストである「オートエクゼ」ブースに展示されたNDロードスターです。

このNDロードスターには、まもなくの発売が予定されている新作エアロパーツやチタンマフラーなどの注目のアイテムが装着されていたのですが、そのなかでも特に高い注目を集めていたのが心臓部に搭載された「ファインチューニングリビルトエンジン」です。
現行型として販売中のNDロードスターではありますが、デビューは2015年ということで初期の個体ではすでに10年選手となっており、その走りの楽しさから走行距離の進んだ個体も珍しくありません。
となると普通であれば買い替えを検討してもおかしくないタイミングとなりますが、ロードスターを愛する人々は愛着のある今のクルマを乗り続けたいと考える人は少なくありません。そういった声に応えるためにオートエクゼがリリースしたのが「ファインチューニングリビルトエンジン」というワケです。

通常のリビルトエンジンは、中古のエンジンをベースとして分解清掃や点検などを行い、消耗部分などを交換した上で提供されるものですが、オートエクゼのものは“ファインチューニング”と名前が付いているように、リビルトの際に職人の手作業によってチューニングもなされているのが大きな特徴です。
その内容は、燃焼室修正研磨、ポート研磨、バルブシートカット、バルブリフェース&面取り、バルブすり合わせ、ダミーヘッド付精密ホーニング、ピストン&コンロッド静的重量バランス調整、クランクシャフト&フライホイールダイナミックバランス調整、クランクシャフトラッピング、各部精密クリアランス調整と多岐にわたっており、さらに現行型の通称ND2型に採用される最新のマツダの純正部品(改良型エッジカットピストンや低張力非対称バレルピストンリングなど)を使用している点も見逃せません。
ただチューニングといっても社外部品などを組み込むわけではなく、純正部品を量産モデルよりも精度を高めて組み上げているため、耐久性などはノーマルエンジンと変わりません。にもかかわらず非常に精密な仕上がりとなっていることで、フィーリングは完全に別物になっていると言えるでしょう。

ここまで手が入れられているにもかかわらず、価格は65万7800円(要無改造の可動エンジン下取り)と非常にリーズナブルですが、これもNDロードスターが現行型でエンジンの部品が安価で確実に手に入れることができる環境があるからこそ。
熟練の職人が手作業で組み上げるため、月産能力は3基と多くはありませんが、間違いなく待つ価値はある逸品となっています。


