ロードスターで2人・3泊4日の旅行なんて行けるはずがない…そう思っている人はいませんか?
マツダのロードスターと言えば、日常の足としても使えるクルマでありながら、2シーターライトウェイトスポーツカーとして、週末のドライブはもちろんモータースポーツまで使え、クルマを操る楽しさを感じられる“人馬一体”を体現するマツダのスペシャリティカーです。
ボディサイズは全長3915×全幅1735×全高1235mmとコンパクトな設計になっており、車両重量はベースモデルのSで1010kg(今回の撮影車両「S Leather Package V Selection」の場合は1030kg)と軽量。また組み合わされるエンジンはSKYACTIV-G 1.5の排気量1496cc、エンジン最高出力100kW(136PS)、エンジン最大トルク152N・m(15.5kgf・m)です。

トランスミッションはSKYACTIV-MTの6速MTと6速ATから選べます。軽量ボディに1.5リッターエンジンを搭載していることもあり、街中からワインディングまで、ドライブが楽しいことは間違いありません。
そんなロードスターですから、人馬一体の軽快な走りを楽しみながら、どこまでも走りに行きたくなります。しかし、コンパクトボディのため荷物の積載性が…と思う人もいることでしょう。
1人で走りを楽しみ、1泊2日、あるいは2泊3日程度ならなんら問題はありませんが、2人で行くとなると工夫が必要になるかもしれません。
今回は、たまたまロードスターを使用して出張取材にいくことになったので、実際にどのくらいの荷物が積めるかを検証しました。

使用する車両は「S Leather Package V Selection」6速MT車のソフトトップモデル。積載する荷物はカメラバッグとして使用しているキャリーケース、ストロボバッグ、スタンドケース、2泊程度を想定したバックパックです。
ロードスターのカタログには、ソフトトップでのトランク容量は約130L(VDA方式、以下同)と書かれており、54×40×22cmサイズのソフトタイプのキャリーケースが2個収納できるとあります。積載事例の写真には、54×40×20cmの航空機機内持ち込みサイズのハードタイプキャリーバッグが2個積載されています。
ちなみにハードトップのRFでもトランク容量は約127Lで、キャリーケース2個が収納できるとなっていますので、トランク容量はソフトトップでもRFでもほぼ同じなのがわかります。
1人での出張ならカメラマンの大荷物でも問題なし! 意外と広々なトランクスペース
では実際に車両のトランクを計測してみると、トランク入り口の横は約78cm、縦は約32cmあります。トランクの底からの高さは高いところで約48cm、低いところで34cm程度です。
トランク内の最大横幅は約110cm、奥行きは約50cmです。底の部分が一段低くなっており、今回計測に使ったキャリーケース「LOJEL(ロジェール)のCUBO(キューボ)」Sサイズ、W35.5×H53×D25cmがすっぽり収まります。

そして隙間の部分にスタンドケースを折りたたむようにして積載、ストロボバッグを斜めに積み込み、最後にバックパックをキャリーケースの上に積むと、ぴったり収まることがわかりました。
1人での出張撮影なら、バックパックを助手席に積めば、三脚やレフ板を積んでも問題なさそうです。さすがに脚立は無理そうなのでやめておきました。
キャリーケース2個・2人想定の場合はどう? 車内にも意外と荷物が積める!
さすがに撮影機材では一般的ではなく、実際の使用イメージが想像しにくいと考え、機内持ち込みサイズのキャリーケース2個の場合も想定してみました。
「LOJEL(ロジェール)のCUBO(キューボ)」Sサイズ、W35.5×H53×D25cmをトランクの底の部分に納め、その上にリモアの2輪タイプW40xH55xD20cmのキャリーケースを重ねてみました。

きれいに収まり、トランクも問題なく閉じられます。キャリーケース2つを入れるとバックパックはトランクに収まりませんので、必然的に助手席行きになりますが、旅行に行くならキャリーケースかバックパックどちらかで行くと思いますので、問題なく収まりそうです。
また、キャリケースを2つ重ねると両サイドにデッドスペースができるので、そこにお土産もたくさん入りそうです。
さらに、室内にも収納スペースがあります。キー付きのリアコンソールボックスには500mlのペットボトルが3本は入る奥行きとスペースがあるほか、シート裏側には隠れたボックス(リアストレージボックス)もあり小物を収納できます。
そして、マツダとしては荷物置き場としてうたってはいませんが、シート後方の、ソフトトップ部分にはかなりの荷物が積めます。
厚手のアウターを着込むことが多い冬場では置き場に困ることがあると思いますが、このデッドスペースに収納できます。

しかし荷物を置くと想定して作られていませんので、小物がソフトトップ稼働部に落ちるなど、不具合が起きる可能性も十分に考えられます。荷物を置く際にトラブルが発生した場合は自己責任になりますので、注意が必要です。
また、ソフトトップをオープンにした際は、そこに置いた荷物をどこかに移動させないとオープンになりませんので、ロードスターがもつオープンエアーを楽しむためには注意が必要です。

ロードスターはスポーツ走行はもちろん、2人での長期旅行もこなす万能なスポーツカーだった!
今回、編集者と2人で3泊4日の出張に行き、機材を多少減らしながらもスーツケースと2人分のバックパック、手荷物、お土産などを満載していきましたが、車内空間を圧迫することなく、トランクとソフトトップ収納部分に積み込むことができました。
しかし、実際に検証してみてわかったことがあります。トランクの底の部分は平たんですが、周りの部分が底に向かってすり鉢状になっているため、真ん中の荷物を抜き出すと周りの荷物が底になだれ込むという事態が起きるのです。

そのため荷物の出し入れは、外に1回全部出してから整頓しながら積み込む必要がありました。今回の出張中は天気も良く、外に荷物を置いていても問題ありませんでしたが、雨が降っていたら荷物がびしょびしょに…ということを考えると、トランクの中はなるべく平たんになっていると良いなと思います。
しかし、荷物をうまく組み合わせて隙間なく入れるテクニックは、何度か積み込みをしていれば身に付くことだと思いますので、自分が持っていく荷物で何度か積み方を研究すると、より効率的に荷物が積めるようになることでしょう。

意外にも多くの荷物を積んで走れるロードスターに驚きを隠せません。年末年始の帰省や、夏休みなどの長期休暇でも、荷物を満載にしても走りを楽しめるロードスターの懐の深さを知りました。







