自動車業界関係者ほど、車選びが真剣になるワケ

 普段からさまざまなクルマに触れ、試乗し、知見を広げている自動車ジャーナリストや自動車ライター、そして自動車雑誌編集者。彼らの愛車選びは真剣です。

 なぜなら、職業としてクルマに触れることが多い彼らも、根底にあるのは“クルマ好き”だということ。加えて職業柄いろんなクルマに触れて良しあしを理解し目利き力を持つだけに、全力で“クルマ好きとして本当にいいクルマを選ぶ”というのが彼らのクルマ選びのセオリーになるのは自然なことでしょう。

 彼らはどんなクルマを選ぶのか。筆者の知る限り、一番人気は「マツダ・ロードスター」です。筆者の知る範囲で20人ほどの自動車メディア関係者がロードスターを愛車としていて、それは車種別でみればナンバーワンで間違いありません。

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自動車業界関係者たちのロードスターと(画像中央が筆者・工藤貴宏の愛車)

 何を隠そう筆者(工藤貴宏)もその一人。2025年7月、つまり半年ほど前にロードスターの新車を購入しましたが、筆者自身がロードスターを愛車とするのは初めてのことです。

 もともと「スポーツカー好き」そして「オープンカー好き」ということもあり、ロードスターはいつか愛車にしたいと思っていました。それがやっと実現したのです。

 というわけで、この記事のテーマは「自動車業界関係者にはなぜロードスター乗りが多いのか」。自動車ライターであり、自身もロードスターオーナーである筆者が率直な印象をお伝えしましょう。

自動車業界関係者がロードスターを選ぶ理由は、実はとてもシンプルだった

 スバリ、大きな理由はふたつあると思います。ひとつは「とにかく楽しい」ということ。そして「ちょっと頑張れば手が届く存在」だということです。

 クルマに何を求めるか。それはユーザーそれぞれ異なるでしょう。“実用性”だったり、“快適性”だったり、なかには“多くの人を乗せられること”という人もいるし、もしかすると“見栄えこそが最重要”なんていう選び方もあるかもしれません。

 でも、自動車メディア関係者の多くは運転好きであり「楽しく運転できること」を愛車選びの優先事項としている人がかなり多い印象があります。そんな人も納得するのがロードスターというわけです。

何と言ってもロードスターの魅力は「運転が楽しいクルマ」だということ

 実際、ロードスターの運転は楽しさにあふれたものです。そして筆者が強調しておきたいのは、スポーツカーとは言っても単にスピードを出して気持ちいいだけでなく、むしろゆっくりと走っている時のクルマとの対話が楽しいのがロードスターの楽しさだということ。ゆっくり走っても楽しい。それはつまり、日常の移動でもとても楽しいということです。車体サイズも小さいから狭い場所で気を使うこともなく、スポーツカーとしては「気軽に乗れる」モデルですしね。

「ちょっと頑張れば手が届く存在」というのは、言い方を変えればコスト面の手頃さです。まずは車両価格。最安グレードの「S」ならば289万8500円(消費税込み、以下同)とアンダー300万円(しかもスマホ接続できるディスプレイオーディオを標準装備するからナビを追加する必要もない!)で、ちょっと頑張れば届く範囲。安いとは言わないけれど、軽自動車だって主流のスーパーハイトワゴンを買ってナビを付ければ200万円を超えるのがあたりまえの時代(なかには300万円弱のグレードが一番人気の軽自動車だってある!)と考えれば、「高額車」というほどではありません。

 その上、ソフトトップの通常モデルを選べばエンジン排気量は1.5リッターだから自動車税だって安い。燃費(カタログ記載のWLTCモード計測だと16.8km/Lだが高速道路走行も多い筆者だと実燃費もそれに近い)もよく、馬力自慢のハイパフォーマンススポーツカーに比べると燃料代だって控えめ。ランニングコストも比較的リーズナブルなのです。

ゆっくり走ってもとにかく楽しい「ロードスター」は、クルマ自体の価格が安価で、ランニングコストもリーズナブルなのがうれしいポイントだ

 そしてこれは“オマケ”みたいなものですが、もし手放すことになってもリセールバリューが高いので安心できます。

 運転が楽しくて、お財布にも優しい。だからクルマ好きとして人生がもっと幸せなものとなる。……それこそが、ロードスターがもたらしてくれるハッピーなのです。

 ここだけの話ですが、筆者はロードスター購入時に手頃なスポーツカーであるトヨタ「GR86」やスバル「BRZ」とも悩みました。価格はロードスターと同等もしくはそれらのほうが少し安いくらいだし、スポーツカーとしての走りの水準はそれらのほうが高いのも事実だからです。

 ただ、筆者が選んだのは低い速度でも感じられる運転の楽しさと、オープンドライブの楽しさ。だからロードスターなのです。

ロードスターの持つ世界観に共感してロードスターを選んだ」

 自動車メディア業界に籍を置く多数のロードスターオーナーの気持ちをひとことでいえば、そういうことになるでしょう。実際、ロードスターがある生活は楽しいものです。

「ロードスターの持つ世界観に共感してロードスターを選んだ」そんな同士との集まりも格別だ

ロードスターを買って起きた変化とは? 同じクルマに乗る仲間との交流も楽しい

 最後に、ロードスターを買ったことで筆者に起きた変化もお伝えしておきましょう。それはふたつありますが、ひとつは、人生で初めてインテリアのドレスアップに手を出したことです。

 人生で初めての愛車がS13型の日産「シルビア」であり、それからの乗り換えとして初めて買った新車がS15型のシルビア(もちろんどちらもターボエンジン+MT)だったスポーツカー好きの筆者。だからこれまでサスペンションなどのチューニングをしたことは何度もありましたが、インテリアのドレスアップをしたことはありませんでした。

 しかし、ロードスターを購入してなぜかインテリアのドレスアップをしたい気分に。たとえばエアコン吹き出し口のリングをボディカラーと同色にコーディネートするなどですね。

 なぜなら、サードパーティーでそういったパーツが豊富にあって、しかも金額的にも手頃だから、ついついネットで「ポチッ」としてしまうのです。

 もちろん標準状態が物足りないというわけではないのですが、さりげなくドレスアップして自分色に染めるのが楽しいのです。

 また、オーナーズミーティングに参加するようになったのも大きな変化です。30年以上クルマ好きだった筆者ですが、これまでプライベートでそういう集まりに参加することはありませんでした。

 近所に住む同業者のロードスター仲間数人と集まるような小規模なものに始まり、先日はロードスターに乗る自動車メディア関係者に声をかけてのオーナーズミーティングも実施。20台ほどのロードスターが集まりました。

  • 自動車メディア関係者との「ロードスター」オーナーズミーティングの様子。20台もの(!)ロードスターが集まった

 そうやってロードスターの世界観を共有し合うこともまた楽しいのです。なにをするかといえば、「ただしゃべるだけ」。そう、普通のクルマ好きと何ら変わりません。

 でもそうやって仕事を忘れてひとりのクルマ好きになれるのが楽しく、それができるのもまたロードスターの世界観ならではだと思うのです。

 もしかすると、仕事のことなんて忘れて単なるクルマ好きになれるクルマ。それが自動車メディア関係者にとってのロードスターなのかもしれませんね。

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