CX-5とCX-60、何が違う?マツダ人気SUVを徹底比較

 マツダのSUVラインナップで人気の中心を担う「CX-5」と、新世代モデルとして鳴り物入りで登場した「CX-60」は、どちらも魅力的な選択肢ですが、コンセプトや特性は大きく異なります。

「自分にはどちらが合っているのか」という疑問に答えるため、両車の違いを4つのポイントに絞って分かりやすく解説します。

コンセプトの対比 「成熟のオールラウンダー」と「新世代のプレミアム」

 まず、両車がどのような思想で開発されたかを見ていきましょう。その立ち位置の違いが、全ての比較の基礎となります。

 CX-5は、2012年の初代登場以来、マツダの世界販売をけん引してきた基幹車種です。

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2012年の初代登場以来、世界中で愛されてきたマツダCX-5。現行モデルは、美しいデザインと意のままに操れる走行性能が魅力だ

 現行の2代目は、洗練された「魂動デザイン」と、意のままに操る楽しさ「人馬一体」を高次元でバランスさせています。

 街乗りから高速道路、山道まで、あらゆる場面で質の高い走りを提供する、まさに「成熟したオールラウンダー」です。

 実績に裏打ちされた信頼性と、多くの人に選ばれる総合力の高さが最大の魅力と言えるでしょう。

 一方、2022年に登場したCX-60は、マツダが新たなプレミアム市場へ挑戦するために投入した新世代ラージ商品群の第一弾です。

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マツダがプレミアム市場へ挑戦するために投入したCX-60。後輪駆動ベースの設計がもたらす力強いプロポーションとダイレクトなハンドリングが魅力だ

 最大の特徴は、高級車やスポーツカーに多く見られる後輪駆動(FR)ベースのプラットフォームを新開発した点。これにより、伸びやかで力強いプロポーションと、上質な走りを実現しました。

 日本の美意識を取り入れた質感の高い内装も相まって、既存の枠を超えたプレミアムな価値を提供します。

走りの質を決定づける設計思想の核心的な違い

 両車のキャラクターを最も明確に分けているのが、プラットフォーム(車体の骨格)とパワートレイン(エンジンなど)です。

駆動方式:扱いやすさの「FF」か、操る楽しさの「FR」か
 CX-5は、エンジンを車体前方に横向きに置き、前輪を駆動するFF(フロントエンジン・フロントドライブ)がベースです。

 この方式は室内空間を広く設計しやすく、雪道など滑りやすい路面でも安定性を確保しやすいメリットがあります。

 誰もが安心して運転できる、素直で扱いやすい操縦性が持ち味です。

 対してCX-60は、エンジンを縦向きに置くFR(フロントエンジン・リアドライブ)がベース。

CX-60のボディラインは、FR(後輪駆動)プラットフォームだからこその伸びやかさが特徴だ。長いノーズと後方に引かれたキャビンが、力強く優雅なプロポーションを生み出す

 前輪がかじ取り、後輪が駆動と役割を分担するため、より自然でダイレクトなハンドリング感覚を味わえます。

 アクセルを踏み込んだ時の力強い加速感や、カーブを滑らかに曲がる感覚はFRならではです。これは、走りの質感を徹底的に追求した、プレミアムな設計思想の表れです。

パワートレイン:実績のエンジンか、新開発の意欲作か
 CX-5は、効率に優れた2.0リッター/2.5リッターガソリン(SKYACTIV-G)と、低速から力強く経済的な2.2リッタークリーンディーゼル(SKYACTIV-D)という、実績十分なラインナップが中心です。

マツダCX-5のエンジンは、効率に優れた2.0リッター/2.5リッターガソリン(SKYACTIV-G)と、力強い2.2リッタークリーンディーゼル(SKYACTIV-D)が中心だ

 CX-60の魅力は、新開発されたパワートレインにあります。滑らかな回転フィールとパワフルな加速が魅力の3.3リッター直列6気筒エンジン(クリーンディーゼル)に加え、2.5リッターのガソリンモデルと、同じく2.5リッターのガソリンエンジンを採用するプラグインハイブリッド(PHEV)も設定されています。

 いずれもFRプラットフォームとの組み合わせにより、上質で余裕のあるドライビング体験を提供します。

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