新たに追加された「XDドライブエディション」は超オトクなグレード!?

 CX-60は、後輪駆動をベースにしたマツダの新しい上級プラットフォームを使ったSUVです。直列6気筒3.3リッタークリーンディーゼルターボエンジンの採用にも特徴があり、後輪駆動が基本ですからエンジンを縦向きに搭載しています。

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マツダの新世代ラージ商品群の第1弾として、2022年に登場した「CX-60」(画像は「XD Drive Edition Nappa Leather Package」)

 そのためにCX-60はボンネットが長いです。前後席の頭上と足元の空間、荷室容量などは現行CX-5に近いですが、ボンネットが長いため、全長は現行CX-5と比べて165mm、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も170mm拡大されています。

 そしてCX-60のパワーユニットは、先に挙げた直列6気筒3.3リッタークリーンディーゼルターボ、ディーゼルのマイルドハイブリッド、直列4気筒2.5リッターノーマルガソリンエンジン、2.5リッターガソリンのPHEV(充電可能なストロングハイブリッド)と多彩です。

 このCX-60が2025年10月に改良を加えられました。主な変更点は、グレードの追加や廃止となっています。

 最も注目される変更点は、CX-5などと同じく、ディーゼル専用グレードのXDドライブエディションが加わったことです。衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能を充実させ、ドライバー異常時対応システム、リヤゲートの電動開閉機能、12.3インチのフル液晶メーターとセンターディスプレイ、運転席と助手席の電動調節機能、8スピーカーの上級オーディオ、20インチアルミホイール、本革シートなどが標準装着されています。

2025年10月に登場した「CX-60 XD Drive Edition Nappa Leather Package」の内装

 そしてXDドライブエディションでは、外観が従来のSP、内装はLパッケージに準じています。そのためにディーゼルを搭載するXD・SP、XD・Lパッケージ、XD・エクスクルーシブモードは廃止されました。CX-60は発売時点でグレードが多く、分かりにくい面もあったので、そこを整理したとも受け取られます。

 CX-60のXDドライブエディションには、さらに装備を充実させた仕様として、XDドライブエディション・ナッパレザーパッケージも用意されます。ナッパレザーパッケージになると、シート生地が文字通りナッパレザーに変わり、内装の装飾も上級化します。前席ベンチレーション機能、オーバーヘッドコンソールのLEDダウンライト、前後席のフットランプなども加わります。

CX-60 XD Drive Edition の「Nappa Leather Package」は、シート生地にナッパレザーを採用。内装の装飾を上級化させた

 このほか3.3リッターディーゼルには、XDプレミアムスポーツも加わりました。XDドライブエディションに比べると、フットランプなどが備わり、助手席の電動調節機能などは省かれます。XDプレミアムスポーツには、ドライバーを優先させたスポーツ指向の強い装備が多く採用されています。

 つまり家族で使うなら、XDドライブエディション、あるいはそのナッパレザーパッケージで、1人のドライブを優先するユーザーにはXDプレミアムスポーツが推奨されます。

 ちなみに以前のXD・SPのインパネには、硬質な樹脂が使われていました。シンプルなクルマ造りが好みのユーザーは、これで十分だと思いますが、CX-60はマツダの上級SUVです。特に6気筒ディーゼルでは、余裕のある動力性能に見合うソフトパッドを使った上質な内装が求められるでしょう。そこで6気筒ディーゼルでは、現在はXDドライブエディション(427万200円/2WD)が最も安価なグレードになり、なおかつ機能や装備の割に価格を抑えた買い得グレードでもあります。

CX-60 XD Drive Editionに搭載される6気筒3.3リッターディーゼルエンジン

2.5リッターガソリンエンジンは326万7000円から! グレードを絞ることで明瞭なグレード構成に

 その一方で直列4気筒2.5リッターガソリンエンジン搭載車には、ベーシックな25S・Sパッケージ(2WD/326万7000円・消費税込み、以下同)が残され、価格の安さを重視するユーザーに対応しています。安価なグレードを2.5リッターガソリンに絞ることで、グレード構成が分かりやすくなりました。

 上級のパワーユニットとしては、前述の通り、直列6気筒3.3リッターディーゼルのマイルドハイブリッド仕様と、2.5リッターガソリンエンジンを使ったPHEVがあります。駆動方式は両方ともに4WDのみです。

 まずディーゼルのマイルドハイブリッドですが、ベーシックなタイプのWLTCモード燃費は4WDが18.3〜18.4km/Lです。それがマイルドハイブリッドになると20.9〜21.4km/Lに向上します。

 エンジン性能も異なり、ベーシックなディーゼルは最高出力が231馬力、最大トルクは51.0kgf・mです。マイルドハイブリッドは254馬力・56.1kgf・mに向上します。

  • CX-60のパワーユニットには6気筒3.3リッターディーゼルエンジンのほか、左/2.5リッターガソリン、中央/3.3リッターディーゼルマイルドハイブリッド、右/2.5リッターガソリンエンジンPHEVの計4つが用意されている

 グレード構成も、ディーゼルのマイルドハイブリッドは上級タイプに限られます。インパネのデコレーションパネルも上質で、情緒的な価値も追求しています。

 特にプレミアムスポーツとプレミアムモダンは、エクスクルーシブスポーツとエクスクルーシブモダンに比べて内外装の装飾が上級化して、パノラマサンルーフなども標準装着されます。

CX-60のパノラマサンルーフは、幅951mm×長さ1021mmと大きな開口部を確保した

 なお、XDプレミアムスポーツ4WDの価格は489万600円、XDハイブリッドプレミアムスポーツ4WDの価格は567万500円です。装備に若干の違いはありますが、マイルドハイブリッドの対価が約78万円では割高といえます。機能と価格のバランスでは、マイルドハイブリッドを搭載しないノーマルタイプのディーゼルが割安です。

 一方のPHEVは、2.5リッターのガソリンエンジンを使いながら、モーターの動力性能が強力です。そのためにエンジンとモーターの相乗効果によるシステム最高出力は323馬力に達します。駆動方式は4WDのみですから、クリーンディーゼルターボのマイルドハイブリッドと同じく上級グレードのみの設定と思われがちですが、PHEVにはLパッケージも用意されています。

 PHEV・Lパッケージ4WDの価格は570万200円ですから、XDハイブリッドプレミアムスポーツやプレミアムモダンと同等です。上級に位置するPHEVプレミアムスポーツやプレミアムモダンは646万2500円とされ、CX-60の最高価格グレードです。

明瞭なグレード構成で選びやすくなったCX-60。自身に合う1台を探してみては?(画像は「XD Drive Edition Nappa Leather Package」)

 以上のように、CX-60を選ぶ場合、主力に位置付けられる買い得なパワーユニットはノーマルタイプのディーゼルです。ベーシックな仕様は2.5リッターのガソリンで、ディーゼルのマイルドハイブリッドは上級に位置付けられ、PHEVは最上級です。CX-60では、パワーユニットに応じてヒエラルキーが構成されています。

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