細いフレームのなかでマツダデザインを表現! デザイナーたちの挑戦が始まる
実際の開発がスタートするにあたり、まずはデザイン面での最初の課題は「どうやって光を動かすか」ということだったそうです。
これについて、ジンズの浅田さんも最初は「どういうことだろう?」と率直に感じたそうですが、マツダの「魂動(こどう)デザイン」の象徴の一つであるリフレクション(反射や映り込み)を、サングラスのフレームという限られた狭い面積で表現するために、光と影を作り出す造形をテーマにデザインスケッチが進められました。
そして、そのスケッチ案をベースに、マツダ社内の「匠(たくみ)モデラー」が実際に手作業で金属(銅)を削り出し、試作品(プロトタイプ)の製作を行いました。
通常のフレームデザインの検討は、PC内での3Dモデル造形によって行われるとのことですが、今回のドライビングサングラスの製作にあたっては、デザインスケッチからクレイモデルを製作するという、まさに自動車のデザイン開発さながらの工程で進められたそうです。
そのモデルをベースに、今度は量産化に向けて、世界的なメガネの産地である福井県鯖江市の「メガネ職人」のもとで開発が進められました。
通常であれば、ここからはメガネメーカーであるジンズの領域となるはずですが、マツダのデザイナー陣からの「現場での製作風景を見たい!」という強い要望があり、実際の製作作業にマツダのデザイナーが立ち会うという異例の展開になったそうです。
実際のメガネの開発現場に初めて立ち会った際、自動車とメガネ、広島と福井という、製品自体もものづくりの場所も異なる環境ながら、いわゆる職人の作業の進め方や、スケールモデルの比率など、同じデザインというテーマを通じて共通する部分が多く、非常に感銘を受けたと語ってくれました。
その後も、彫りの深いチタンフレームのデザインであるが故の、金型ショット時の耐久性という課題を克服したり、髪の毛1本単位の細かなデザインの微調整などを経たりして、当初の構想から約4年という、実際の自動車開発と同等の期間を経て「MAZDA SPIRIT RACINGドライビングサングラス」は発売されることになりました。

「MAZDA SPIRIT RACINGドライビングサングラス」は2025年3月15日より販売がスタートしており、MAZDA SPIRIT RACING / JINS の刻印が⼊ったオリジナルケースとセリート(メガネ拭き)が付属する限定のオリジナルパッケージで、価格は3万9600円(消費税込み)となっています。
本製品は、マツダのディーラーやJINSの店舗・オンラインショップからは購入できず、マツダオフィシャルグッズショップの専用販売サイトのみから購入可能です。







