「ウォークスルータイプ」と「セパレートタイプ」はどう選びわける?
では「ウォークスルータイプ」と「セパレートタイプ」はどう選びわければいいでしょうか?
ラグジュアリーな雰囲気を最大限に味わいたいなら「セパレートタイプ」一択と言っていいでしょう。これを選んでおけば、満足度は最大限に高まること間違いありません。
いっぽうで2列目~3列目間の前後ウォークスルーをしたいなら、「ウォークスルータイプ」を選びましょう。3列目アクセスのたびにいちいちシートを動かさずに済むから、3列目を頻繁に使うユーザーとの相性は抜群です。
また、「ウォークスルータイプ」は小さな子どもが2人以上いるファミリーにも最適です。理由はチャイルドシートやジュニアシートとの相性。3列目アクセス時にシートを倒す必要がない「ウォークスルータイプ」なら2列目の左右席にチャイルドシートや背もたれ付きのジュニアシートを装着していても容易に3列目へアクセスできますが、シートを倒さないと3列目にアクセスできない「3人掛けベンチシート」や「セパレートタイプ」だと、2列目に2脚のチャイルドシートや背もたれ付きのジュニアシートを装着していると、事実上3列目が使えなくなってしまうからです。
小さな子どもがいるファミリーは、そこが盲点となりがちなので気を付けたいところです。
そしてもうひとつ。シート選びには、ラゲッジルームからのアプローチも関わってきます。気を付けたいポイントは、「『セパレートタイプ』は小さくたためない」ということ。電動リクライニング機能との兼ね合いがあり、ほかのシートと違って背もたれを床の高さまで畳むことができないのです。「セパレートタイプ」はもっともコンパクトにするとしても、スライドを10cmほど前へ出し、背もたれを起こすこと止まりで荷室を広くはできないのです。
いっぽうで「ウォークスルータイプ」や「3人掛けベンチシート」なら背もたれをほぼフラットに倒せるから、荷室を拡大可能。もしも2列目を畳んでたくさんの荷物を積んだり、車中泊などを考えたりしているのなら“「セパレートタイプ」以外”を選ぶ必要があるでしょう。
また、3列目と2列目の全てのシートを畳んでも、「ウォークスルータイプ」は2列目左右席の間に溝ができてしまいます。荷物を積む際も車中泊の時も板などを置いてフォローできますが、そこも確認しておいたほうがいいでしょう。
結論としては、荷室の実用性重視なら「『3人掛けベンチシート』一択」と言ってよさそうです。ちなみに、シートのタイプは自由に選べるわけではなく、グレードとの組み合わせが決まっています。
ベーシックな「XD」と「S Package」は「3人掛けベンチシート」だけの設定。「エクスクルーシブモード」と「エクスクルーシブスポーツ」は「3人掛けベンチシート」と「セパレートタイプ」が選択できます。
また、「L Package」が選べるのは「ウォークスルータイプ」のみでありつつ、何を隠そう全グレードのなかで「ウォークスルータイプ」が選べるのはこのグレードのみ。「ウォークスルータイプ」はグレード選択肢が狭いのです。
そして「エクスクルーシブモダン」「プレミアムモダン」そして「プレミアムスポーツ」は「セパレートタイプ」だけの設定。基本的には「上位グレードはセパレートタイプ」と覚えておくといいでしょう。
筆者(工藤貴宏)ならどれを選ぶか? 実用性を考えれば「ウォークスルータイプ」ですが、予算が許すのであれば「セパレートタイプ」で極上の快適性と上質さを味わいたいですね。