「レガシィ・アウトバック」の誕生30周年を記念したモデル発売

 スバルのフラッグシップであり、SUVシリーズの長男坊である「レガシィ・アウトバック」の誕生30周年を記念した特別仕様車「Black Selection」に続く第2弾「30th Anniversary」が公開されました。
 
 光物を抑えたブラック加飾のエクステリア、アイボリー×ブラックのナッパレザーを用いたインテリア、そしてSTIチューニングのダンパー採用のフットワークなど、特別仕様車にしてはかなり手の込んだ専用装備が特徴となっています。
 
 ただ、その一方で日本向けレガシィ・アウトバックを2025年3月末までの受注を持って終了する予定であると発表。
 
 つまり、1989年から続くレガシィブランドの終焉と言うわけです。

レガシィとしては36年、アウトバックとしては30年、本当にお疲れさまでした

 と言っても、今回の発表は日本向けの話でメインマーケットの北米は継続、次世代モデル(8代目)も鋭意開発中だと言います。

 スバルのビックネームの終焉に色々な意見があるかもしれませんが、今回はそんなレガシィの歴史を振り返ってみたいと思います。

 排ガス規制を乗り越えた日本車は1980年代に大きく成長を遂げていきますが、スバルだけはそのブームに全く乗れずにいました。

 いや、それどころか他社による買収や倒産の危機まで報道されるほど厳しい局面に立たされていました。

 当時のスバルの主力モデルは「レオーネ」でしたが、シャシの基本設計は「スバル1000」の時代からほとんど変わっておらず、4WDシステムを持っても悪路走破性以外はライバルに対して全く歯が立たず。

 当時の関係者に話を聞くと、「シャシに余裕が無いので、水平対向エンジンの出力アップをしたくてもできない状態だった」と聞きます。

 かつては「スバル360」やスバル1000のような“技術”で自慢できるモデルがあったスバルですが、レオーネはと言うと、当時の関係者は「今思うと、言葉は悪いですが何となく作っていたような気がします。『問題なく動くよね』、『雪道で使えればOKでしょ』と言った感じで、明確な目標は無かったと思います」と。

 経営陣も「このままでは技術のスバルとは言えない」と言う危機感が高まり、「クルマで勝負する」、「本気でいいクルマを作りたい」という想いが強まったそうです。

 それは会社全体に一気に広まり、「クルマで勝負」、「本気でいいクルマを造る」と言う流れになったそうです。

 そんな経緯で開発されたモデルが、レオーネに代わる新モデル、開発コード「44B」と呼ばれた初代の「レガシィ」でした。

 開発コンセプトは単純明快で「日本一で一番いいセダン/ワゴンを作る」で、その実現のために全てをイチから開発が行なわれました。

 プラットフォームはスバル1000以来となる新設計、サスペンションも4輪ストラット式が奢られました。

 エンジンも同じ水平対向ですが、完全新設計のEJ型を開発。トップモデル「RS」に搭載の2Lターボは220psと一気にクラストップレベルに。

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