走る楽しさと居心地のよさが合体! 新型が目指したもの

 国内最大級の自動車技術展「人とくるまのテクノロジー展2026 YOKOHAMA」が、2026年5月27日から29日までの3日間、パシフィコ横浜(横浜市西区)にて開催されました。

「人とくるまのテクノロジー展2026 YOKOHAMA」にて講演した、新型CX-5の開発責任者である山口浩一郎氏

 会場では次世代モビリティをけん引する最先端テクノロジーや実車展示をはじめ、業界のキーマンが登壇する特別講演など、多彩なプログラムが展開されました。

 今回はプログラムの中から、先日新型が発売されたばかりのマツダ・CX-5の新車開発講演の様子をお伝えします。

 この講演では、新型CX-5の魅力をマツダのクルマ開発本部 主査である山口浩一郎氏が熱弁を振るいました。

 山口氏は1992年にマツダへ入社し、RX-8やMAZDA3、CX-4などの開発に従事、新型CX-5の開発主査を務めた人物です。愛車は自らが手掛けたRX-8とRX-7カブリオレ、2台のロータリーエンジン搭載車という根っからのクルマ好きです。

  • 山口浩一郎氏の紹介。RX-8やMAZDA3の開発に携わっており、2022年から新型CX-5の主査に。愛車は「FC型RX-7カブリオレ」と「RX-8」という2台ともロータリー搭載車!

 山口氏が開発責任者を務めた新型CX-5は「新世代エモーショナル・デイリーコンフォート」をコンセプトに掲げ、徹底して日常使いにこだわったパッケージングが特徴です。

国内初スペックで出足すっきり! 先代を超えるエコと軽快なフットワーク

 マツダのクルマづくりを支える大きな柱が「人馬一体」です。山口氏は「自動運転をゴールとするのではなく、ドライバーを支える運転支援技術を磨く。走れば走るほど(ドライバーが)元気になるようなクルマづくりを目指しています」として、「自らハンドルを握り、運転を楽しむことは脳の活性化に良い影響を与えます」と強調。そうしたクルマの開発を念頭に置いており、新型CX-5もその理念に基づいたものとなっているそうです。

目指すのは自動運転ではなく「走るほど元気になる車」。マツダが磨き続ける「人馬一体」のテクノロジーが新型CX-5にも息づいている

 新型CX-5の開発方針は「日々の使い勝手に徹底してこだわり、SUVの王道を極める」(山口氏)。それを「新世代価値」=「エモーショナル」×「デイリーコンフォート」という図解を用いて説明しました。

「『エモーショナル』が人馬一体の走りや魂動デザインを指す一方で、『デイリーコンフォート』は広い室内空間や静粛性といった快適性を意味します。新型CX-5はこの相反する2つの要素を高次元で両立。さらに、進化したHMI(ヒューマンマシンインターフェース)やコネクティビティ、ADAS(先進運転支援システム)といった「新世代価値」を重ね合わせています」(山口氏)

講演会では新型CX-5について「新世代価値」=「エモーショナル」×「デイリーコンフォート」という図解を用いて紹介した

 エモーショナルな部分のひとつとして、マイルドハイブリッドシステム「M ハイブリッド」を搭載した、2.5L直噴ガソリンエンジン(e-SKYACTIV G2.5)を国内で初採用。NAエンジンらしい出足の良さと、マイルドハイブリッドでさらなるスムーズさを追求し、かつ先代の2リッターモデルに勝る低燃費を両立しているそうです。

シャシーシステムはホイールベースとトレッドの拡大、サスペンションのダンパー刷新などにより一体感と快適性を両立した

 また、シャシーは好評だった先代を踏襲しつつもホイールベースとトレッドを拡大。さらにダンパーの機能と構造を刷新して応答性を高め、スプリングを柔らかく設定しているそうです。これにより、軽快な一体感と快適な乗り心地を両立しています。

後ろ姿にほれる! ワイドで踏ん張り感抜群のフォルム

 エクステリアデザインは「ウェアラブルギア」をコンセプトに、気軽に乗れてドライバーの行動を後押しする造形とし、ボディ拡大と縦横比の維持で、スタイリッシュさと広い室内空間を両立した上で、歴代で最もリアタイヤに重心がかかるように見える力強いスタイルを実現しています。

  • リアの踏ん張り感を重視した新型CX-5。とても力強いプロポーションだ

 インテリアでは、走る喜びを感じるコックピットと同乗者がリラックスできる空間を目指し、広々として車両姿勢を感じ取りやすい水平基調のインパネや、15.6インチもしくは12.9インチの大型センターディスプレイを搭載。

 またAピラーの見え方やフェンダー造形を工夫することで車幅感覚がつかみやすい構成となっています。

  • 新型CX-5のインテリアは、広々として車両姿勢を感じ取りやすい水平基調のインパネや、15.6インチもしくは12.9インチの大型センターディスプレイを搭載。視界についても細かな配慮が

 また雨の日の必需品であるワイパーも、Aピラーギリギリまで拭く新開発のものが搭載され、雨天時の視界確保も向上しているそうです。

写真右が新型CX-5のワイパー稼働イメージ。Aピラーのギリギリまでワイパーが動いていることがわかる

 さらにホイールベースの延長などによって室内空間を拡大し、リアドアの開口シールラインを70mm後方へ移動させたことで乗降性を向上させ、スカッフプレートの高さを抑え、幅を拡大した上で平たん化することで子どもなどの乗り降りもしやすくなりました。

新型CX-5はリアドアの開口シールラインを70mm後方へ移動させた。そのほかにもスカッフプレートの高さや幅を工夫し、乗降性を向上させた

 そして荷室スペースも拡大されたほか、ベビーカーを畳まずに立てて積載できるようになっており、リアシートを畳めば大人が2人横になれる広大なスペースも生まれます。

巨大ディスプレイとマツダ初のGoogle連携

 ヒューマンマシンインターフェースの部分では必要な物理ボタンは残しつつ、音声認識と直感的に操作可能な静電式タッチスイッチを搭載し、車載インフォテインメントの中核として「Googleシステム」を採用。山口氏は「新しい体験と安心感を提供する新技術」と強調しました。

Googleシステムの搭載も新型CX-5の重要なキーワード

 通信機能を備えているため、スマートフォンを接続せずともマップや音声アシスタント、各種アプリを利用できます。さらに、今後はAIモデル「Google Gemini」へのアップデート対応も予定しているとのことです。

 このように大小さまざまな進化を見せている新型CX-5。すでに多くのマツダディーラーに展示試乗車が配備されているそうで、山口氏は最後に「ぜひ触れて、乗って、体感していただきたいです」と呼び掛け、講演を締めくくりました。

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PHOTO GALLERY【画像】貴重な開発技術資料がたくさん!新型CX-5新車開発講演の様子を見る(75枚)