●マツダの国内最上級SUV「CX-80」 1kmあたりの走行コストはいくら?

 CX-80は、国内で販売されるマツダの最上級車種で、全グレードが3列のシートを装着しています。国産SUVには3列シート車がいくつか用意され、その中でCX-80は、3列目が最も広くて快適です。ほかの3列シートSUVの3列目は、座り心地が窮屈ですが、CX-80なら大人の多人数の乗車も可能です。

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マツダの最上級3列シートSUV「CX-80」。画像は、直列6気筒3.3リッタークリーンディーゼルターボとマイルドハイブリッドを組み合わせた「XD-HYBRID Premium Sports」で、ボディカラーはアーティザンレッドプレミアムメタリック

 CX-80のパワーユニットでは、直列6気筒3.3リッタークリーンディーゼルターボとマイルドハイブリッドの組み合わせが注目されます。最高出力は254馬力(3750回転)、最大トルクは56.1kg-m(1500〜2400回転)ですから、自然吸気のノーマルガソリンエンジンに当てはめると5リッターの排気量に相当します。

 このディーゼルマイルドハイブリッドに組み合わせられる駆動方式は、後輪駆動をベースにした4WDのみで、舗装路から悪路まで、さまざまな路面で優れた走行安定性を発揮します。

CX-80は、さまざまな路面での優れた走行安定性はもちろんのこと、“スポーツカー顔負けの走り”が楽しめることも特長だ

 しかもWLTCモード燃費は、XDハイブリッド・プレミアムスポーツ・4WDが19km/Lです。ディーゼルが使う軽油の価格は、2026年1月時点で約145円/Lですから、レギュラーガソリン価格の約160円/Lよりも1Lあたり約15円安いです。そうなるとCX-80ディーゼルマイルドハイブリッド搭載車の1kmあたりの走行コストは7.6円(走行コストの表記は四捨五入・以下同)に収まります。

 CX-80のボディサイズは、全長が4990mm、全幅は1890mmです。車内の広いマツダの最上級車種とあって、日本ではLサイズのSUVに位置付けられます。そこにパワフルなディーゼルを搭載しながら、1kmあたりの走行コストが7.6円であれば、燃費効率はとても優れています。

  • CX-80のボディサイズは、全長が4990mm、全幅は1890mm、全高は1710mmと大柄だが、1kmあたりの走行コストは7.6円(ディーゼルマイルドハイブリッド搭載車)と好燃費を実現した

●3列シートSUVのライバル車と1kmあたりの走行コストを比較

 そこで3列シートSUVのライバル車と比べましょう。まずランドクルーザー250のZX・4WDは、直列4気筒2.8リッタークリーンディーゼルターボを搭載して、WLTCモード燃費が11km/Lです。1kmあたりの走行コストは13.2円です。

 ランドクルーザー250のディーゼルは、最高出力が204馬力(3000〜3400回転)、最大トルクは51kgf・m(1600〜2800回転)とされ、動力性能はCX-80の3.3リッターディーゼルの方が優れています。しかもCX-80はWLTCモード燃費も19km/Lですから、11km/Lのランドクルーザー250を上まわります。CX-80は効率がとても良いのです。

CX-80では、レギュラーガソリンを使用するプラグインハイブリッド(PHEV)以外のグレードは、軽油を使用するディーゼルエンジン搭載車となる

 その結果、前述の通り、1kmあたりの走行コストに差が生じました。ランドクルーザー250は13.2円、CX-80は7.6円ですから、燃料代を約40%節約できます。

 ランドクルーザー300もライバル車に位置付けられます。パワーユニットでは、ランドクルーザー250よりもパワフルなV型6気筒3.3リッタークリーンディーゼルツインターボが注目されます。最高出力は307馬力(4000回転)、最大トルクは71.4kgf・m(1600〜2600回転)ですから、CX-80のXDマイルドハイブリッドよりも動力性能が高いです。

 その代わりWLTCモード燃費は9.7kmにとどまり、1kmあたりの走行コストは14.9円に達します。CX-80の約2倍です。つまりランドクルーザー300のディーゼルは、経済性よりも、実用回転域の高い駆動力を重視しています。特性が異なるのです。

他車と比較すると、CX-80は燃費効率に優れたクルマであることが把握できるだろう

 アウトランダーは、ディーゼルではなく、直列4気筒2.4リッターガソリンエンジンを使ったPHEV(プラグインハイブリッド/充電可能なハイブリッド)を搭載しています。駆動方式は後輪を前輪とは別のモーターで駆動する4WDです。

 売れ筋グレードになるPなどの場合、ハイブリッド状態で走っている時のWLTCモード燃費は17.2km/Lです。レギュラーガソリン価格は前述の160円/Lですから、1kmあたりの走行コストは9.3円です。経済的ですが、CX-80の7.6円ほど安くはありません。

 レクサスRXは2列シートのSUVですが、全長は4890mm、全幅は1920mmに達します。先代型に3列仕様が用意されたことも踏まえると、CX-80のライバル車と考えて良いでしょう。

 RX350hは、直列4気筒2.5リッターのハイブリッドを搭載しており、4WDのWLTCモード燃費は18.7km/Lです。注意したいのは使用燃料でプレミアムガソリン(ハイオク)です。価格がレギュラーガソリンよりも1Lあたり約10円高く、170円/Lで計算します。

 そうなるとRX350hの1km走行コストは9.1円です。アウトランダーの9.3円よりも安く、CX-80ほどではありませんが、走行コストは相応に抑えられます。

CX-80は、走行コストを抑えつつも、優れた走行安定性に加え、高い出力とトルクを兼ね備えた。ワインディングでは、大柄な車体からは想像できないほどのハンドリングを楽しめる

 以上をトータルすると、今回取り上げた5車種の中で、1kmあたりの走行コストが最も安いSUVはディーゼルマイルドハイブリッドを搭載するCX-80の7.6円です。2位はハイブリッドになるRXの9.1円、3位はPHEVを搭載するアウトランダーの9.3円です。そして4位は再びディーゼルで、ランドクルーザー250の13.2円、5位はランドクルーザー300の14.9円と続きます。

●1回の給油で、どの程度の距離を走れる? ライバル車と比較した結果

 1回の給油で、どの程度の距離を走れるか、という性能も考えてみましょう。WLTCモード燃費と燃料タンク容量で決まります。

 CX-80はWLTCモード燃費が19km/Lで燃料タンク容量が74Lなので、1回の給油で1406kmを走ることが可能です。

航続距離1406kmというと、東京から九州の鹿児島まで無給油で到達できる計算だ。大容量の燃料タンクと好燃費を実現したCX-80なら、普段使いでも給油の回数を減らすことができるだろう

 ランドクルーザー250はWLTCモード燃費が11km/Lで、燃料タンク容量は80Lです。1回の給油で走れる距離は880kmです。

 ランドクルーザー300はWLTCモード燃費が9.7km/Lで、燃料タンク容量はランドクルーザー250と同じ80Lなので776kmと短くなります。

 アウトランダーはPHEVですから、自宅などで充電した電気を使って走れる102kmも加わります。ハイブリッド走行時のWLTCモード燃費は17.2km/Lで、燃料タンク容量は53Lです。総合すると1回の給油と充電で合計1014kmを走行できます。

 RXは4WDのWLTCモード燃費が18.7kmで、燃料タンク容量が65Lですから、1回の給油で1216kmを走行できます。

 以上の1回の給油と充電で走れる最大距離をトータルで見ると、1位がCX-80の1406kmで、2位はRXの1216km、3位はアウトランダーの1014kmで、4位はランドクルーザー250の880kmです。5位はランドクルーザー300の776kmになります。

●3列目シートの居住性はどう?

 ちなみに3列目シートの居住性も評価しておきましょう。身長170cmの大人6人が乗車する場合、CX-80では、2列目の膝先空間を握りコブシ1つ半に調節すると、3列目の膝先にも同程度の余裕ができます。ミニバンほど広くありませんが、冒頭で触れた通り大人6人の乗車は十分に可能です。

CX-80の3列目シートは、大人でも座れるだけの膝先空間が確保されている。突発的な多人数乗車に備えるだけでなく、日常でも使いやすい設計だ

 ランドクルーザー250/300の室内空間は、両車ともに同じ広さです。先代型のランドクルーザー200とプラドには、2列目にスライド機能が装着されて3列目の膝先空間を拡大できましたが、250/300では省かれました。そのために250/300の3列目は足元空間を広げられず、身長170cmの大人が座った時の膝先空間は、握りコブシの半分程度と狭いです。

 アウトランダーの7人乗りモデルは2列目のスライド機能が備わるので、2列目を前側に寄せて3列目の足元空間を拡大できますが、身長170cmの大人6人が乗車すると、2/3列目の膝先空間はほぼゼロになってしまいます。

※ ※ ※

 つまり国内で販売される国産SUVで、3列目が相応に機能するのはCX-80のみです。ほかのSUVは、荷室に装着された補助席と考えた方が良いでしょう。多人数で乗車することを考えてSUVを買うなら、3列目の居住性を入念に確認しましょう。

※走行コストや1回の給油で走れる距離は、カタログに記載されたWLTCモード燃費を基に算出しており、実際の数値は走行条件によって変動します。また、燃料価格は2026年1月時点の数値を基にしており、今後の市況や地域によって変動する場合があります。

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