改良型のCX-60に乗り、燃費計測を含めロングランの乗り心地を体感

 2024年12月に商品改良を発表し、2025年2月から販売が開始された改良型のマツダCX-60は、乗り心地のブラッシュアップが行われ、好評を得ているとのことです。

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 そう聞くと、高速道路や一般道、市街地での実際の乗り心地や燃費が気になるところです。

 2025年4月26、27日に鈴鹿サーキット(三重県鈴鹿市)で行われた「スーパー耐久第2戦鈴鹿」に仕事で行くにあたり、ちょうどよいと考えてマツダからCX-60を借り、ロングランの乗り心地を体感してきました。燃費計測も含みます。

今回旅のお供となったCX-60「XD SP」は、6気筒ディーゼルエンジンを搭載したスタンダードモデル

 今回旅のお供はCX-60「XD SP」という、商品改良を機に追加されたグレード。試乗車は4WDモデルで、ボディカラーはマツダと言えばこの色!というほど定着したソウルレッドクリスタルメタリックです。

 XD SPと同時に新グレードとして投入された、XD-HYBRID Trekkerの専用カラーのジルコンサンドメタリックも気になるところですが、このカラーはTrekker専用なのでXD SPでは選べません。

 しかしスポーティさを際立たせたSPなら、このソウルレッドクリスタルメタリックがばっちり似合っています。新緑と青空に映えるカラーは乗っていても気分がアガります。

 CX-60 XD SPは全長4740×全幅1890×全高1685mm、ホイールベース2870mmで、エンジンは直列6気筒直噴ターボを採用したSKYACTIV-D 3.3を搭載しています。

 エンジン最高出力は170kW(231ps)/4000-4200rpm、エンジン最大トルクは500N・m(51.0kgf・m)/1500-3000rpmで、このモデルはハイブリッドシステムを搭載しない、純ディーゼルエンジン車です。

 ハイブリッドシステムを搭載しない分車重は軽くなり1870kg。また、燃料タンクは58Lで、WLTCモードでは18.4km/Lというカタログ燃費を誇っています。

燃費計測をしながらいざ鈴鹿サーキットへ

 今回、CX-60をお借りしたマツダの研究開発拠点である「マツダR&Dセンター横浜」(横浜市神奈川区)をお昼に出発し、一路目指すは三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットです。

マツダR&Dセンター横浜を出発し、三重県鈴鹿市の鈴鹿サーキットを目指す

 私(筆者の雪岡直樹)は年に何回も鈴鹿サーキットに行っているため、おおよその到着時間は想像できます。お昼に出発すれば、18時ごろに着くだろうと推測しました。

 マツダを出発してしばらくしてからナビをセットし忘れたことに気が付き、ナビをセットすると、想定と同じく18時過ぎの到着予定時間を示します。

 しかし近隣の首都高速から高速に入るルートではなく、なぜか保土ヶ谷バイパスを走り、東名高速道路の横浜町田インターから乗るルートを案内していました。

 急ぐ旅でもないのでナビ任せで行きましたが、東名高速道路に乗るまでに、今回の商品改良で行われた各部の良さを実感することができました。

今回の商品改良では、
・電動パワーステアリング制御の操舵(そうだ)フィールを最適化
・フロントサスペンションのダンパー減衰力、ナックル締結ポイントの変更
・リアサスペンションのスプリング定数、ダンパー減衰力、バンプストッパー特性、スタビライザー、クロスメンバーブッシュ特性の最適化
・AWD&KPC&DSC制御をサス変更に合わせて最適化

 上記のような“前後ショックの減衰バランスに合わせたパワステ・シャシー制御の最適化”という改良を行っています。

 そのため、一般道のわだちや凸凹でのいやな突き上げや不快な揺れがほとんど感じられないようになっています。

 また保土ヶ谷バイパスや東名高速道路に入ってからのクルージングでも、振動や揺れは改良前のCX-60とは比べものにならないほど穏やかな乗り味になっています。

 トルクコンバーターレスの8速ATのつながり具合も改善されており、シャキシャキとした走りを見せてくれます。また改良前モデルではシフトレバー付近から聞こえていたミッションを由来とするノイズも低減されており、ミッションの最適化と静粛性も高めているのが感じられました。

 東名・新東名高速道路の区間では燃費を意識するのではなく、制限速度付近で流れに合わせた走りを行います。

途中休憩で寄った伊勢湾岸自動車道の刈谷PAにて

 エンジンは1000回転から1500回転、大きく回っても2000回転も回れば必要にして十分なパワーとトルクを発揮してくれ、全車速追従機能付きのマツダ・レーダー・クルーズ・コントロールを使えば、前車との一定の車間距離を保ちつつ安定した走りをしてくれます。

ディーゼル車の燃費の良さと価格の安さにびっくり!

 今回は、ロングランのインプレッションとともに燃費測定も実施する企画なので、休憩ごとに記録をとっており、マツダR&Dセンター横浜を出発してからは下記の記録になりました。

東名高速  足柄SA   82.3km 19.1km/L
伊勢湾岸道 刈谷PA  302.7km 20.0km/L
東名阪道鈴鹿インター  361.6km 19.9km/L
鈴鹿サーキット     374.5km 19.9km/L
※記載距離は「マツダR&Dセンター横浜」出発後の総走行距離で、燃費は燃費計を参照した数値

 鈴鹿サーキット最寄りのガソリンスタンドで給油を行うと、20.51Lの給油となりました。

鈴鹿サーキット最寄りのガソリンスタンドにて

 メーター内の平均燃費計では19.9km/Lと表示されていましたが、満タン法では374.5km÷20.51L=18.2km/L(小数点第2位以下は切り捨て)ということになります。

 満タン法のほうが低い数字になりましたが、スタート時に燃料計は満タンになっていても、実際どこまで燃料が入っていたのかは不明。また鈴鹿サーキット近隣でセルフ給油を行った際も、軽油の泡立ちにより給油ガンが早めにストップをかけた可能性もあります。ということを考慮すれば、おおむねWLTCモードのカタログ燃費18.4km/Lに近い数字をはじき出した、今回の結果は良いと言えるのではと思えます。

 日常で筆者が使用しているスバル「レヴォーグ」(2.0リッターガソリンターボ)の場合、東京都内から鈴鹿サーキットに向かうと、燃料タンクの半分を少し下回るくらいまで減っています。

 今回試乗したCX-60は燃料タンクの半分までも到達しておらず、燃費の良さに驚きます。さらに、給油してすぐに給油ガンがストップし、給油計に表示されている軽油料金が3200円という値段だったことに驚きを隠せませんでした。

 愛車のレヴォーグはハイオク仕様なので、今回レヴォーグで鈴鹿へ向かっていたとしたら、燃料の残りも半分以下になって、結構なガソリン代になっていたはずです。

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PHOTO GALLERY【画像】改良版CX-60に乗り、東京〜鈴鹿〜伊勢を旅した様子を見る(100枚)