開発中の専用エンジンのピストンを突如お披露目(!)
続いて、12R専用のエンジンの話に話題が移りました。
(村中)「今回200馬力にする、ベースとなるエンジンから16馬力ぐらい上げなきゃいけなかったんですけど、2リッターのNAエンジンで16馬力上げるというのは結構大変で、いろんなことやらないと16馬力って、上がらないんですよね。最初は、スーパー耐久レースが今215馬力くらいまで上がっているので、すぐにちょちょいとちょいだろうと(笑)」
「ただ、量産車として出すとなると1番大事なのは排ガスのエミッションなんですよね。排ガス基準を犠牲にして馬力を上げるのであれば、そこまで難しくないんです。 これをきれいなクリーンな排ガスに、現行のロードスターと同じ基準を守りながら馬力上げるっていうところが、苦労したポイントです」

(齋藤)「車検が通るレベルだったらもっと基準を緩めてもいいんですよ。だけど、それはメーカーのやることじゃないんで。やっぱりマツダは型式自動車メーカーだから、作り込んだ上での量産車として、お客さまにも安心して乗ってもらおうと思っています」
(村中)「だから結局エンジンも、シリンダーヘッドとかカムシャフトやピストン、いろんな部品を変えています。今日、実はピストン持ってきてるんです。すごく軽く作ったんですよ」
(齋藤)「皆さんに回しますので見てください。特に裏側あたり、今回すごく軽量化しているんです。あ、ちゃんとあとで返してくださいね(笑)」
(村中)「12Rは200台限定っていうこともあってですね、シリンダーヘッドでいくと、手加工で削ってもらうっていうようなこともやって、また吸気ポートも削るんですけど、1台のエンジンでいっぱい何カ所も削るところがあるので、これがもう削るのが楽しい、どんどんきれいにピカピカになっていくのを見るのがもうすごい楽しい。喜んでやってます(笑)」

(齋藤)「200馬力っていうパワーは数字だけでいうと、ハイパワーなクルマが他にいっぱいある現代においては大したことないかもしれないです。けど、1tそこそこの車体にこの200馬力のエンジンが載るというこの価値が、非常に乗っていて楽しいですし、特にサーキットとかスポーツ走行するシーンでは非常に光っているんですよね。ただ、素のロードスターに2リッターをポンと積むだけじゃ面白くなくて、こうやってマツダスピリットレーシングというブランドで2リッターを出したってことに関しては、またロードスターの幅が広がったかなと思ってます」

(齋藤)「大事なのはやっぱり日頃の街中で乗っても、その雰囲気を味わいながら楽しめるっていうのがこの車の最大の目的というか売りです。たとえこの12Rを手に入れたからといって、サーキットを走らなきゃいけないわけではないです。自宅の近所を乗って楽しいっていうところが1番大事だと思っています」

(齋藤)「僕らまだまだ言い足りないことがたくさんあって、エンジンの熱の対策の話とか、エアロとかサスペンションのチューニングとか、細かい話などは今後アプリを通じて皆さんにお届けしたいと思っています。今後またこういう開発のトークショーもね、いろんなとこでやりたいなと思うんで、このアプリをダウンロードしていただいて、いろいろと今後はこちらでも情報を出していきたいと思います」
約30分のトークショーは、ここで初めて明かされる話や、開発中のエンジン部品を実際に手に取って触ることができる機会があるなど、クルマ好きにとってとても興味深い有意義なものとなりました。
200台限定200馬力の「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」は2025年秋に商談開始、2025年中の販売を見込んでおり、価格は700万円台後半、184馬力の「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」は500万円台を予定しているとのことです。



