目視で安全確認ができない交差点も新世代アイサイトなら防げる?
交通事故が多発することからTVなどで何度も取り上げられている、通称「車が一瞬消える交差点」と言う交差点が埼玉県さいたま市にあります。
その交差点は黄色点滅と赤色点滅の一灯式信号からなる十字路になっており、言うまでも無く赤色点滅を見たら一時停止しなければならない場所です。
だけど監視カメラの映像を見ると、一時停止をしているのに交通事故が多発しています。なぜか? 赤信号で止まっても、交差する道が目視できないからだ。
スバルが2020年秋に発売する新型「レヴォーグ」の試乗会ではこの交差点と同じようなシチュエーションを設定していました。運転席の位置からだと左右方向は「ほぼ」見えない。
安全確認をしようとしたら、ボンネットの長さ分くらい交差する道路の黄色点滅側にハミ出さないとダメ。上記交差点の事故、正しくそんな状況で発生しています。チョイと出したフロント部分に横から走ってきたクルマがドン!
この手の事故を防ぐため、自動車メーカーは様々なアプローチをしてきた。ボンネット先端に左右方向のミラーを付けたり、同じくフロントグリルの位置に左右方向を向けたカメラを付けたり。
ただ視認性で問題を抱えており、費用対効果の低さもありあまり普及していない。ちなみに私(国沢光宏)の家からバス通りに出る時も壁で左右方向の確認が出来ず、神経をすり減らします。
車両を検知して自動停止する新世代アイサイトの前側方プリクラッシュブレーキ
ということで新型レヴォーグに搭載されたアイサイトXです。新型レヴォーグは車両前方の左右にレーダーをセットしています。左右方向から接近してくる車両がいたら、警告を出すのと同時に自動(衝突被害軽減)ブレーキを掛けてくれる前側方プリクラッシュブレーキを搭載しているのだった。
今回の試験では実車を使うと言うことで助手席での体験となったけれど、交差する道は私の家の場合と同じでほぼ見えない。私が乗った新型レヴォーグは交差点で一旦停止し、ノロノロと前に出た瞬間にガツンと止まる。
ドライバーが見えていない左右から来るクルマを検知して、見事にブレーキをかけてくれます。面白いことに今回は実験のため、接近してくる車両もビビりがち。クルマをぶつけたら大変ですから。
ということで出てくるのが解っているからユックリ接近してしまう。こうなると自動(衝突被害軽減)ブレーキは介入せずに警告のみ。衝突の可能性が高くなればなるほど、確実に稼働すると思っていい。
よって、新型レヴォーグなら埼玉県で多発している交差点事故のようなシチュエーションでも安心だと思う。
曲がった先の横断歩道の歩行者も検知 世界トップクラスの安全性能を実現
新型レヴォーグの新世代アイサイトで機能拡大した安全装備はもう1つあります。
交差点などを右折した際にさしかかる横断歩道は、歩行者からすれば青信号。用心深い歩行者なら信号が青でも左右確認するけれど、考え事などをしつつ反射的に青信号で渡り始めることも大いにあります。
そこに右折車が来ると危険な状況になってしまう。実際、こういったケースでの事故は多い。
だからこそ伝統あるヨーロッパの自動車アセスメントは(ユーロNキャップと呼ばれる)、2020年から新しい試験モデルとして「交差点を曲がった時の歩行者に対する自動ブレーキ性能」を加えた。
ヨーロッパでも右左折時に歩行者と接触する事故は多いそうな。日本の自動車アセスメントもこのパターンの対歩行者自動ブレーキ試験が追加される?
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