「疲れないクルマ」ってホント? 検証してみた
アイサイトX体験者の計測結果はどうなったのでしょうか。
まず、高速道路では、1分間あたりの正面前方車に対する注視時間が、アイサイトXを使用した場合、渋滞時で37.8%減、また順調走行時で28.7%減と大幅に時間が減っています。
これは、前方をしっかり見ていないということではなく、先方車の動きばかりに気を取られることなく、視野全体に注意を向ける余裕が生まれていることだと分析しています。
次は、高速道路を走行中に運転操作が必要だった時間ですが、アイサイトXを使うと82.7%も減少しています。そのうち、ハンドル操作で83.5%減、ペダル操作では93.8%減となりました。
そして、ドライバーのアイサイトX利用に対する満足度については、とくに挙動の確かさや滑らかさ、操舵・加速度支援について高い評価となりました。
さらに、NASA-TLXでの評価でドライバーが感じる作業負荷は、渋滞走行時で61.4%減、また順調走行時で45.8%とそれぞれ大きく減っています。
これにより、身体的負荷のみならず、精神的負荷も大幅に減っていることがわかりました。
今回の調査でスバルはアイサイトについて、「人間の行動特性を理解し、人がミスを犯さない状態を実現」し、「アイサイトの支援による有限な注意資源を有効活用」することで「快適なドライブ体験を長距離・長時間可能にできると考えられる」という考察を示しています。
結果的には「当然そういうことになるだろう」といった感じの話なのですが、スバルによると、自動車メーカーとして、高度運転支援システム(ADAS)の評価について、今回のような人中心の検証をおこない、そのデータを社外で公開したケースはこれまでないとのことでした。
今回の調査は、アイサイトに関する技術評価という側面のみならず、高度運転支援システムのメリットをしっかり「見える化」したという点では、大きな意義があると思います。
今後スバルは、アイサイトのネクストステージとして、ステレオカメラ技術とAI(人工知能)の融合したシステムを、2025年以降に量産することを目指すとのこと。アイサイトによる運転支援システムは、さらなる進化を続けていくようです。
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