さよならレガシィ…。最後には粋な計らいも!
日本で生まれたレガシィは世界へと広がり、5代目以降はメインマーケットである北米の意向を盛り込んだ商品企画へシフトしてきました。
中には「レガシィは日本を捨てた」、「我々が求めるレガシィ」と言った厳しい意見もありましたが、ビジネスの面ではこれにより業績は右肩上がり、スバル好調の礎を築いた功労者であることは間違いありません。
ただ、スバルは日本を見捨てたわけではありません。1車種だけでは全ての仕向け地のユーザーを満足させられない、と言う判断で日本向けの新ブランドとして開発されたのが2014年に登場した「レヴォーグ」です。車名の意味は「レガシィ・レヴォリューション・ツーリング」。
4代目レガシィ並みの扱いやすいボディサイズ、2種類のターボエンジン、WRXと共用したフットワーク系、進化したアイサイトの採用などにより、歴代レガシィが目指した「GT性能」が色濃く継承。
商品キーワードの「25年目のフルモデルチェンジ」からも解るように、「日本人のためのレガシィ」でした。
2020年には2代目が登場。その進化の内容を見ると、エンジン/シャシ、安全支援システムも含め全方位で刷新されました。
更に2023年に都市型クロスオーバーSUVとなる「レヴォーグ・レイバック」も追加されています。
これにより日本ではレガシィ→レヴォーグの世代交代が完了と判断、日本市場におけるレガシィの役目に一区切りがついたのです。

普通のクルマならば「生産終了でおしまい」ですが、スバルは長きに渡り日本市場を支えてきたレガシィに敬意を称してファイナルモデルを設定。つまり、幕を閉じるための“花道”が用意されたのです。
ちなみに30th Anniversaryの専用カタログの表紙は2代目レガシィのオマージュとなっています。
更にメディア用に配られた公式写真の背景も同様です。古いカタログを持っている人は、是非見比べてください。
残念ながらレガシィの名は日本から無くなってしまいますが、そのDNAはレヴォーグに色濃く継承。つまり、レガシィの歴史は形を変えながらまだまだ続きます。
筆者は左脳では「スモールプレイヤーであるスバルの選択と集中の判断としては間違いない」と思う一方、右脳では「レヴォーグでは物足りないレガシィ独自のファンがいるのに」と思う部分も。
とは言え、まずはレガシィとしては36年、アウトバックとしては30年、本当にお疲れさまでした、そしてありがとう。
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