魂動デザインを中心としたブランドイメージの統一化
マツダは2026年9月、「ロードスター」の改良モデルを発売し、新ボディカラー「ジンクグリーンメタリック」が登場しました。
現行モデルである4代目のND型は約11年という長いモデルライフが経過しているものの、度重なる改良により商品力を向上させ好調な販売を維持しています。特別仕様車PSの追加などを中心に、さまざまなトピックがあった今回の改良ですが、その中でも特に話題となったのが新色「ジンクグリーンメタリック」の追加なのです。

ND型ロードスターが登場したのは2015年。当時のマツダと言えば、魂動(こどう)デザインとスカイアクティブテクノロジーを中心としたブランド戦略をスタートさせたばかりの時期で、そのブランド戦略の中にあった中心的なボディカラーが「ソウルレッド」でした。マツダ車のほぼ全車種にソウルレッドがラインナップされていて、まさにブランドの色を表していました。
それは、ロードスターも例外ではありません。
2014年8月に世界初公開されたND型ロードスターはソウルレッドに身を包んでいて、カタログの表紙写真などに使われるコミュニケーションカラーもソウルレッドでした。(その前型となるNC型ロードスターの最終型に設定された25周年記念車にも、ソウルレッドのボディカラーが設定されていました)
このようにマツダ全体のブランドイメージを作り上げていくために、ソウルレッドがロードスターにも積極的に採用されていったのです。
「ロードスター×グリーン」
ND型ロードスターが販売され、改良が行われるたびに「グリーンは出ないの?」という声が上がるようになりました。それは初代NA型ロードスターの最初の限定車、「Vスペシャル」のイメージがあるからです。
Vスペシャルは、濃いグリーンであるネオグリーンというボディカラーに身を包み、タンカラーのインテリアとソフトトップでカラーコーディネートされた仕様で、古き良きイギリスの小型スポーツカーを思わせる仕様となっています。

その後も歴代ロードスターに濃いグリーンは採用されていきましたが、NDロードスターでは濃いグリーンどころか、グリーンそのものがまだラインナップされていない状況でした。
開発陣としても「グリーンのロードスターは売れるだろう」という認識はあったそうです。しかし、歴代ロードスターが積み上げてきた車種のイメージを考えると、「ソウルレッドを中心とした現在のブランドイメージを食ってしまうかもしれない」という葛藤があったそうです。
ですが、ロードスターも11年のモデルライフとなり、ソウルレッドを中心としたブランドイメージも定着してきた現在ならば、お互いにイメージを食い合うことはないだろうということで、今回の改良で投入されることとなりました。

「グリーンを出すタイミングを見計らっていた」とも言えますが、現在のマツダは基本的に車種専用カラーを行っておらず、他の車種で採用されるカラーとの兼ね合いもあります。
改良されたCX-30でも採用されており、今後各モデルで採用していくカラーであるから、この改良のタイミングで投入されたという側面もあります。
ちなみに、過去に「販売してほしい」という声に応えて期間限定受注(2017年1月13日~同年2月28日)で販売した、初代NA型ロードスターのメインカラーであったクラシックレッドは想定よりも売れなかったそうです。
そのため、期待の声は高まっていても「実際にどれくらい売れるか」に対して慎重になっていた部分もあるでしょう。

新たに投入されたジンクグリーンメタリックは好調な売れ行きとなっているようなので、「ロードスター×グリーン」の投入タイミングとしては適切だったと言えます。これから、街で見かける機会も増えていくことでしょう。
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