どうやってシューズで「ロードスター」を再現するか

 また、現地で聞かれた「普段履きできる」というのも、今回のコラボレーションが実現した大きなポイントだったと、担当したマツダデザイン本部の寺島さんは語っていました。

スニーカーとロードスターには共通点があるという

「軽井沢ミーティングではスピングルを愛用している人が多いなと感じていたのですが、それは普段履きできる運転しやすいシューズだからだと感じていました。そこに、運転が楽しくて普段使い可能なロードスターと共通点があると思ったのです。ロードスターのコレクションに加えたいと思ったのが、コラボレーションへ向けて動いた一つのキッカケでした」(寺島さん)

 両社の担当者はお互いの工場を見学し、歴史やものづくりへの考え方を理解するところからスタートしたそうです。ロードスターが大切にしているシンプルなデザインをシューズでも表現したい。そんな思いを落とし込んでいったそうですが、シューズとしての機能に関しては、しっかりとスピングルが監修したと同社の小畑さんは語ります。

「当初のデザインは、くるぶしが当たる箇所を直線的にしたものでしたが、シューズとしての機能や耐久性を考えると、ここは一般的なアールを描くラインでなければいけないので、現在の形にしました。その他もお互いに意見を出しながら現在の形に落とし込んでいったのですが、本音を言い合って良いモノが作れたと思います」(小畑さん)

特に苦労した初代ロードスターの「レッド」

 中でも最も苦労したのが、色の再現とのこと。スニーカーはロードスター4世代、それぞれを代表するボディカラーをモチーフにしていますが、マツダの色へのこだわりが出ていて、レザーへの色だしを何度も行ったそうです。特にNA型のクラシックレッドは、明るすぎず暗すぎず、できるだけオリジナルの色に近づけられるように何度も試したといいます。

広島発で、ものづくりへのこだわりがある2社がコラボ

 スピングルの小畑さんは、今回の軽井沢ミーティングで自社のシューズを履いている人が想像以上に多くて驚いたそうです。同時にコラボレーションを実現でき、やってよかったと実感したとのこと。

 ものづくりへのこだわりがある広島の2社。コラボシューズを通じ、見ている方向は一緒だったことが現場での取材で分かりました。そんなシューズはロードスターオーナーを中心に今後ファンを増やしていくだろうと、軽井沢ミーティングの現地で感じました。

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PHOTO GALLERY【写真】試行錯誤した「NA型」のオリジナルレッドとは(17枚)