ファン有志のボランティアが開催する伝統のイベント
毎年、5月の末に開催されているのがロードスターの「軽井沢ミーティング」です。ロードスターのオーナーが愛車とともに集うファン・イベントで、2025年は33回目の開催となりました。
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このイベントのユニークなところが、企画から運営まで、すべてがファン有志によって行われていることです。マツダは、あくまでもサポート役にすぎません。なんと、イベントの当日朝の交通整理さえもロードスターのオーナーが行っていますし、運営にかかわるボランティアスタッフも参加費を支払っています。まさにファンのファンによるファンのためのイベントです。
現在では、あまりに参加希望者が多く抽選が行われるほどで、今年は事前の募集に3000を超えるはがきが寄せられ、その中で1100台だけが愛車を伴っての参加が許可されました。

ただし抽選に落ちた場合でも、電車などの公共交通機関、もしくはホテルに泊まって、徒歩で会場に来れば参加可能です。会場の軽井沢プリンスホテルスキー場駐車場(長野県軽井沢町)はJR軽井沢駅に隣接していますから、新幹線で来場する人も珍しくないのです。
そのため、今年は約1100台のロードスターに対して、来場者は約2600人を数えました。つまり、ロードスターの乗員以上の人がイベントを楽しんでいたのです。
アットホームでリラックスした前夜祭には約250名が参加
そんな「軽井沢ミーティング」は、日曜日の昼間がメインイベントとなっていますが、実は前日の土曜日にもイベントが用意されています。夜の前夜祭です。

プリンスホテルの宴会場で実施される夕食会でもある前夜祭には、今年も約250人が参加。広島から駆けつけた、ロードスターの開発責任者である齋藤茂樹氏をはじめ、マツダを定年退職した元開発者である山本修弘氏や貴島孝雄氏らマツダ関係者も多数参加しており、ともに食事を楽しみました。例年通り、アットホームでリラックスした前夜祭となっていました。
日曜は雨予報が一転、イベント日和に
野外でのイベントは天候が重要です。特にオープンカーであるロードスターであればなおさらです。ところが、事前の天気予報は無情にも雨。雨中のイベントを覚悟していたところ、なんと雨は明け方に弱まり、イベント開催の10時にはすっかりやんでいました。そのため、「降ってません!」という開会式の実行委員によるよろこびの声から2025年のイベントはスタートしました。

ちなみに筆者(鈴木ケンイチ)の記憶によると、このイベントには、相当昔から参加していますが、雨にたたられたのは、過去に数度ほどで、しかも最近10年は降られていません。なんとも運のよいイベントです。
開会式では、ロードスター開発責任者の齋藤茂樹氏をはじめ、10人を超えるマツダの社員や、元責任者の山本修弘氏や貴島孝雄氏が紹介されました。そんなステージに飾られたのは、マツダが本年中に市販を予告していた「マツダ・スピリット・レーシング・ロードスター12R」。パワフルな2リッター・エンジンと、高品位な内装を備えた限定200台という特別仕様車のプロトタイプです。

また、それ以外にも限定ではない2リッターの「マツダ・スピリット・レーシング・ロードスター」もマツダはイベントに持ち込み、ファンを大いに喜ばせました。