CX-80、後方から衝突されても大丈夫なの?
「後ろから衝突された際の3列目の安全性が気になる」。3列シートのクルマを選ぶ際、そんな心配をする人も多いかもしれません。
ミニバンも3列シートのSUVも、セダンや一般的なSUVなど2列シートのモデルに比べると車体最後部から3列目シートまでの距離は短く、後ろから衝突された際のダメージは気になるところでしょう。
では、マツダの3列シートSUVである「CX-80」はどうなっているのか? 調べてみました。

実は日本には、後ろから衝突された際の基準として乗員の生存空間に関するものは存在しません。
「時速50kmで後ろから全面衝突された際に、燃料漏れがないこと」という基準はありますが、あくまで燃料漏れがダメというものなのです。
一方アメリカでは「時速80kmで後ろから70%オフセット衝突(車体の30%をずらした衝突)された際に、燃料漏れがないこと」と一段高い基準が設けられていますが、こちらも生存空間の基準はないのです。
しかし、その基準をクリアするだけでなく、さらに高い社内基準を設けているのがマツダです。それは「時速80kmで後ろから70%オフセット衝突を受けた際に『最後席の生存空間を確保すること』と『非衝突側のドアが人力で開くこと』」という項目を設けていることです。
つまり、日米どちらも基準でも後ろから衝突された際の3列目の生存空間に関しては基準がないけれど、マツダは社内基準を設けて安全性と緊急時の脱出性を担保しているというわけです。
ちなみにマツダの基準にある「時速80km」という速度は単にアメリカの基準に倣ったものかというと、そうではありません。「日本の追突事故の99%は時速70km以下で起こっており、時速80kmであればほぼすべてをカバーできる」として決めたもので、高速道路の渋滞最後尾に時速80kmの乗用車が追突するような状況を想定しているといいます。