マツダの毛籠社長に聞く、最新ロードスターの印象は?

 今回の第35回大会にエントリーしたのは全20チーム。そのなかには、メディアだけではなくマツダ社内チームも参戦しています。

 カーナンバー13の「人馬一体ロードスター」に乗るメンバーは、マツダの毛籠勝弘(もろ まさひろ)社長兼CEO、廣瀬一郎取締役専務執行役員兼CTO、佐賀尚人執行役員R&D戦略企画・カーボンニュートラル・コスト革新担当ら幹部のほか、商品本部でロードスターの開発を取り仕切る齋藤茂樹主査もドライバーとして参加しています。

 車両は専用のカラーリングでカッコよく仕立てられていますが、もちろんこの車両もほかの19台とイコールコンディションが保たれています。

ドライビングポジションを確認するのは齋藤茂樹主査。ロードスターの開発主査も自らステアリングを握る

 今回、決勝走行前に毛籠社長にインタビューできました。最新のロードスターに乗った感想について毛籠社長は「今回の改良で最新のロードスターは本当によくなったと思います。私のような技量の十分でないドライバーでも安全に走れるというのは、やはりいいものですね。モータースポーツは安全性がとても大切なので、スキルの高い人とそうでない人の技量をある程度埋めてくれる、耐久レースでも安全に安心して走れるという面では、新しいロードスターはそれにふさわしいクルマになっていると思います」と話します。

「目が追いつかなくなる暗さになる前に、安全マージンをしっかりと取りながら走りたい」と、走行前に意気込みを話した毛籠社長は、スタートドライバーを務めた廣瀬CTOからバトンを受けて2番手で走行。久しぶりのメディア4耐での走行ながら、無事に燃費基準をクリアしながら規定時間を走行し、ピットに戻ってきた際には、1番手を走行した廣瀬CTOとグータッチをしながら「無事にトラブルなく自分の走行枠を走りきれてよかった」と安堵(あんど)した表情で話しました。

腕利き競合ぞろいのなか、マツダ社内チームは4位入賞!

 その後、レースの中盤以降で雨が降り始めて路面は完全にウエットコンディションに。雨が降り始めた際にはスピンする車両も出ましたが、ロードスターに新しく採用された「DSC-TRACK」モードによる効果もあって、イエローフラッグなどが出ることもなく順調にレースは進みます。

 ラップタイムが少し遅くなったことで、4時間経過時の規定周回が少なくなり、燃料残量が意外と持つかもしれない…という各チームの思惑が交錯するなか、残り10分を切った時点でやはりギリギリを攻めていてガス欠をするチームが続出し始めます。目まぐるしく順位が変動するなか、レース中盤から首位を走行していた008号車のベストカーチームが順位を守り抜きチェッカーを受け、記念すべき35回目の大会のウイナーとなりました。マツダの「人馬一体ロードスター」チームは4位入賞でした。

ロードスターに乗り込む毛籠社長。サムズアップでチームメンバーの応援に応える

 耐久レースの表彰式終了後には、「最も長く続いている自動車のワンメイクレースシリーズ(英名:Longest running one-make automobile racing series)」としてギネス世界記録に正式認定され、ギネス世界記録公式認定員から大会実行委員長に認定証が贈呈されました。

 ロードスターは2000年5月に「2人乗り小型オープンスポーツカー生産累計世界一」としてギネス世界記録に認定されており、その後も生産台数が増えるごとに記録が更新されています。今回の記録認定で、ロードスターは2つ目のギネス世界記録を持つこととなりました。

PHOTO GALLERY記念すべき35回目の大会!レース以外にも多くのイベントが開催された「メディア4耐」(40枚)