「アイサイトX」ってどんなもの?
今はクルマの安全性に対する関心が高まっており、交通事故の防止が従来以上に重要になりました。
クルマの安全性能において、国産メーカーでトップを行くメーカーはスバルでしょう。スバルでは、ステレオカメラを使った安全技術の開発を1990年に開始。その後に商品化を経て進化を重ね、2008年にはステレオカメラだけで衝突被害軽減ブレーキや車間距離を自動制御できる「アイサイト」の搭載に至りました。
2010年にアイサイトはバージョン2に進化して機能が向上。価格を10万円(消費税抜)に抑えて「レガシィ」に搭載し、これをきっかけに、衝突被害軽減ブレーキや運転支援機能といった安全メカニズムが注目され、他メーカーの装着車も急増しました。つまりアイサイトは、クルマの安全性を底上げする役割を果たしたのです。
このアイサイトの進化版として、「レヴォーグ」や「WRX S4」「レガシィ アウトバック」には、機能をさらに向上させた「アイサイトX」が採用されています。アイサイトXは、アイサイトコアテクノロジー(アイサイトの基本機能)に、アイサイトXテクノロジーを加えたものですが、一体どのような機能があるのでしょうか。
まず基本的な機能とされるアイサイトコアテクノロジーには、安全装備の衝突被害軽減ブレーキ、後退時ブレーキアシスト、AT誤発進抑制機能、さらに運転支援機能とされる全車速追従機能付きクルーズコントロールなどが含まれます。これらのアイサイトコアテクノロジーだけでも安全性は十分に確保され、ドライバーの疲労も軽減され、疲れにくいということは運転ミスも抑えられ、安全性をさらに引き上げられます。
そしてアイサイトXテクノロジーは高度運転支援システムに位置付けられ、技術力が一層向上。アイサイトXでは、GPS通信衛星や準天頂衛星の「みちびき」から受信した情報と、3D高精度地図データを組み合わせて、高速道路における自車の位置をさらに正確に把握します。例えば目的地に到着するまで、高速道路上の車線を頻繁に変更するような状況でも、正確な運転支援が可能になりました。
アイサイトXテクノロジーが運転支援中に作動する具体的な機能としては、まず渋滞時ハンズオフアシストが注目されます。高速道路上で渋滞が発生した場合、一定の条件が整うとハンズオフ機能が作動してステアリングホイールから手を離しても運転支援が続きます。ペダル操作も含めて、渋滞によるドライバーの疲労が大幅に軽減されるため、快適性と併せて安全性をさらに向上できます。
渋滞時発進アシストも備わり、渋滞で停車した後にドライバーの操作なしで先行車に続いて再発進することも可能。再発進時の操作が不要なため、ドライバーの疲労も軽減されるというわけです。
さらに、車線変更を支援するアクティブレーンチェンジアシストも採用しました。ドライバーが方向指示機を操作して、車両側が安全を確認すると、ハンドルを制御して車線変更を支援します。
加えてカーブ前速度制御も注目の技術です。カーブに入る前から、曲がり具合に合わせて減速し、曲がり終えたら再び設定されている速度まで加速します。カーブに入るときの速度が高すぎて、急いでブレーキペダルを踏むような心配が解消されます。
このほか料金所前速度制御も採用しました。ETCゲートなどが近付くと、安全に通過できる速度まで自動的に減速します。通過した後は、再び設定速度まで加速します。
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