スポーツワゴン「レヴォーグ」って雪上での走りはどうなの?

 これまで何度もスバルのステーションワゴン「レヴォーグ」に試乗してきましたが、今回は雪道で試してみます。

 それも整えられたテストコースやクローズドコースではなくリアルワールドのロングツーリングで、「非積雪地域の人が雪道に出かけたら?」というイメージです。

スバル「レヴォーグ」の雪上での実力は?

 ちなみに筆者(山本シンヤ)は静岡県在住で雪がほとんど降らない地域に住んでいます。

 そのため、生活する上でAWDはマストではありませんが、趣味のスキーに行くために活用しています。

 普通の人であれば人気のクロスオーバーSUVをおススメしますが、自分はさまざまな制約があるのでそうはいかず。

 ひとつは自宅の駐車場の事情により全高に制約(1550mm以下)があることと、もうひとつはクロスオーバーSUVの進化はよく理解しているものの、「スポーツ走行も楽しみたい」という“走り”の部分です。

 それを叶えるのは、運動性能とユーティリティを両立させるステーションワゴンです。

 最近は減少傾向なのも事実ですが、その代表といえばレヴォーグでしょう。

 レヴォーグは、元祖「走れるワゴン」である「レガシィツーリングワゴン」の血統を受け継ぎ、スバルの柱のひとつとなる「走り」を強くアピールしたモデルです。

 初代モデルは2014年に登場。そして2020年に2代目モデルへとフルモデルチェンジしました。

 今回の試乗車は1.8リッターターボ(CB18)搭載の最上級グレード「STIスポーツEX」にスタッドレスタイヤを装着。

 レヴォーグの純正タイヤはヨコハマ・ブルーアースGTなので、スタッドレスタイヤは銘柄を合わせて、最新の「ヨコハマ・アイスガード7(IG7)」をセレクトしました。

 自宅から目的地となる志賀高原(長野県)まで約320kmの距離を走行し、ドライ路面と雪道でレヴォーグの実力を試してみます。

 高速道路はほぼ舗装路面でしたが、レヴォーグのレベルアップした基本性能の高さはいうまでもなく、プロドライバーがアシストしているような制御の「アイサイトX」のタッグはホントに鉄壁です。

 とくに、アイサイトXの機能のひとつとなる「レーンチェンジアシスト」は、ウインカーを操作するだけでクルマが車線変更をおこなってくれるものですが、使う前は「ホントに必要?」と思ったものの、一度使うと便利で手放せなくなるアイテムです。

 また、長年スバル車の課題のひとつだったシートは全面的に見直され、ホールド性の高い形状に加えて、柔らかいのにコシのあるクッションや面で支える構造なども相まって、スバル車最良の掛け心地。まさに疲れ知らずです。

 一方で、メーカーオプションのナビゲーションにも関わらずプレミアムオーディオの設定がないのは残念なところです。3代目から5代目レガシィには「マッキントッシュ」が奢られていたのに、レヴォーグにも設定されることを期待します。

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 ちなみにアイスガード7のオンロード性能も非常に高く、急な操作さえおこなわなければスタッドレスタイヤとは感じないような走りを実現しています。

 しいていえば、若干手ごたえの軽さやダンピングの収まりの悪さは出ますが、そんなときはレヴォーグ STIスポーツEXに備わっている「ドライブモードセレクト」のステアリング/サスペンションの設定を「スポーツ」にするとほぼ解消されます。

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PHOTO GALLERYスバル「レヴォーグ」は雪上での安定感がハンパない!(33枚)