マツダスピリットレーシング代表の前田育男氏やロードスター主査の齋藤茂樹氏らが登壇したトークショー
2025年10月4日、5日に富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開催された「マツダファンフェスタ2025」で待望の正式発表となったのが、「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」(以下MSRロードスター)と「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」(以下MSRロードスター12R)です。

会場には実車が展示されたほか、マツダが専用で用意するスポーツパッケージのアクセサリー類も展示され、多くの来場者の注目を集めていました。
さらに会場ではマツダスピリットレーシングの代表である前田育男氏やロードスター開発主査の齋藤茂樹氏らが登壇したトークショーも開催され、来場者からの質問にも答えるなど、大きな盛り上がりを見せました。
まずMSRロードスターが誕生した経緯について齋藤氏は、「現行型登場直後から、“日本では1.5リッターのソフトトップモデルが最もマッチしている”という思いは変わっていません」と話しつつも、「サーキットで速さを求めるとなると2リッターエンジンを搭載したいのもまた事実」とし、カタログモデルとは違うラインのクルマとして、マツダスピリットレーシングブランドからリリースすることになったと説明しました。
そこでスーパー耐久などのレース活動で得た知見を元にMSRロードスターの開発がスタートしたそうですが、「サーキットは楽しいけど街乗りはつまらない、というふうには絶対にしたくなかった」と同ブランドの代表である前田氏は話します。
前田氏は長らくマツダのデザインを手がけてきた人物としても知られていますが、レースフィールドで培った知見から生まれた専用エアロパーツの形状にはデザイナーとして少し”思うところ”があったそう。ただ実際に自身でステアリングを握って走ったところ、明らかに性能の変化が感じ取れたということで、現在の形状にGOを出したというエピソードも明かしてくれました。
そして来場者からの質問コーナーでは、本気で購入を検討していることを思わせる人から「MSRロードスターはマツダスカイプラン(残価設定)で購入できますか?」という質問が。
これに対しては、「12Rはサーキットで走り込むことを想定した車両ということもあって、マツダスカイプランの設定はありません」との答えでしたが、通常モデルのMSRロードスターについてはスカイプランでの購入が可能とのこと。
また「MSRロードスターで富士(スピードウェイ)を走りたいが、スピードリミッターはどうなっていますか?」という質問に対しては、主査の齋藤氏から「MSRロードスターについては”ある一定の操作をすること”によって、スピードリミッターが切れるようにしています」という返答があり、会場がざわめく一幕も。
これに関してはあくまでMSRロードスターのみの措置で、通常のロードスターでは不可能ということですが、このあたりもMSRロードスターに込められた思いを感じ取ることができました。
そして通常モデルのロードスターオーナーが気になるMSRロードスター用に用意された社外オプション品たちですが、一部のアイテムに関してはディーラーなどで一般ユーザーも購入できるようにすることを検討中とのこと。
12Rに使われているスペシャルパーツなどは販売不可のようですが、既存ユーザーがカスタマイズして楽しめる余地を検討してくれているのはうれしい点と言えるのではないでしょうか。







