“手組みエンジン”搭載の「ROADSTER 12R」
2025年6月2日、マツダは「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R(以下、ロードスター12R)」および「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」の展示を、マツダ本社(広島県府中町)1階ロビーにて開始しました。展示期間は6月末までを予定しており、開館時間は9時から17時45分までです。土日は閉館となります。

このロードスター12Rは、2025年1月の東京オートサロンで初公開されたスペシャルモデルで、モータースポーツのノウハウが惜しみなく注ぎ込まれた意欲作です。ベースは現行ND型「ロードスター」のソフトトップモデルですが、搭載されているのは従来の1.5リッターエンジンではなく、2リッター直列4気筒ガソリンエンジン「SKYACTIV-G 2.0」となっています。
注目すべきは、そのエンジンが専用のカムシャフトやシリンダーヘッド、ピストン、エキゾーストマニホールドなどで構成されており、1基ずつ熟練の職人によって手作業で組み上げられる“手組み仕様”となっている点です。また、最高出力は200PSと歴代ロードスターのなかで最もハイパワーなスペックを誇ります。
走行性能の向上にあたっては、専用チューニングが施されたビルシュタイン製の車高調整式ダンパー、大径の専用ブレーキシステム、剛性強化が施されたボディ構造などが採用されており、サーキット走行にも対応できる本格的なセッティングが与えられています。
エクステリアでは、フロントスポイラーやリアウイングなどの専用エアロパーツを装着。スポーティなストライプデザインや専用ホイールが、視覚的にも高性能モデルであることを主張します。
インテリアもアルカンターラ素材を多用するなど、スパルタンながらも上質な空間に仕上げられています。シートにはレカロ製フルバケットを採用し、走行時のホールド性と快適性を両立。モータースポーツの現場で培った知見が活かされています。
ロードスター12Rは、わずか200台が限定で販売される見通しで、価格は700万円台が予定されています。2025年秋ごろから商談開始となり、年内の発売が見込まれているとのことです。
通常モデルであるMAZDA SPIRIT RACING ROADSTERも2リッターエンジンを搭載し、500万円台で発売予定ですが、特別仕様の12Rはパフォーマンスと希少性からすでに注目を集めており、販売店には「現金一括で購入したい」といった問い合わせも寄せられているといいます。
マツダのスピリットと技術の粋を集めたロードスター12R。限定モデルのため入手は容易ではないものの、その価値を間近で体感できる展示は、ファンにとって貴重な機会となるでしょう。