東京オートサロン2025に展示されて話題になった“2人乗りSUV”がマツダファンフェスタに登場

 2025年4月5日、6日の2日間にわたり、スポーツランドSUGO(宮城県村田町)を会場に開催された「マツダファンフェスタ2025 in東北」は多くの来場者でにぎわいを見せました。

「マツダファンフェスタ2025 in東北」の会場に展示された「MAZDA SPIRIT RACING CX-60 Rally concept(CX-60ラリーコンセプト)」

 会場には往年のレーシングカーの展示やデモラン、そして東京オートサロン2025でお披露目となった「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER(マツダスピリットレーシング ロードスター)」や「MAZDA SPIRIT RACING CX-60 Rally concept(CX-60ラリーコンセプト)」が展示されました。

 ここで展示されたCX-60ラリーコンセプトは、東京オートサロンで展示されたものと同一の個体でしたが、なんとパレードランでは先導車を務め、実際に走れる仕様であることが明らかとなったのです。

 CX-60の素性の良さ、パワフルかつ俊敏な走りのポテンシャルを生かし、ラリーシーンでの活躍を想定したコンセプトカーの同車両は、ターマック(舗装路面)を豪快に走り抜けるシーンをイメージし、大型のリアスポイラー、ルーフベンチレーター、アンダーガードと6POT対向ブレーキキャリパーを装備しています。

 足回りについては正式にはアナウンスされていませんが、レッドの塗色の車高調整式サスペンションが装着されていて、通常のCX-60に比べると明らかに低くスポーティなスタンスを実現しており、タイヤにはピレリの「P ZERO」が装着されています。

 インテリアにはロールケージ、フルバケットシートを装備し、ラリーに不要なリアシートなどは外されたスパルタンな仕様。加飾パネルはアルカンターラ素材でコーディネートし、上質さはもちろん、ラリー競技中にダッシュボードがガラスに反射して集中力がそがれるようなことがないよう配慮されています。

運転席にはレカロ製のフルバケットシートと5点式のシートベルトが装着されている

 パワートレインの詳細やチューニングの内容などは明らかになっていませんが、ベースとなっているのは3.3リッターディーゼルターボエンジンにモーターを組み合わせた48Vマイルドハイブリッド仕様で、トルコンレスの8速ATが組み合わされて4輪を駆動するAWDモデルとのことです。

 ノーマル状態でも550N・mの大トルクを発生するディーゼルターボエンジンとモーターの組み合わせは、ラリーシーンでもパワフルな走りを見せてくれること間違いなしでしょう。

 すでにマツダのクロスオーバーSUVとしては、2024年にCX-5が国内ラリーに参戦し、2戦連続でクラス2位に食い込むなど、そのポテンシャルの高さはすでに証明済みです。このCX-5も足回りやブレーキ、ロールケージといった安全装備が追加されている以外はほぼ市販車のままということで、CX-60が実際にラリーに参戦したとしてもかなりの活躍が見込めるのではないでしょうか。

「マツダファンフェスタ2025 in東北」のパレードランで先導車を務める「CX-60ラリーコンセプト」

 現在のところ、CX-60ラリーコンセプトはあくまでコンセプトカーの域を出ず、ラリーへの参戦も未定というアナウンスにとどまっていますが、実際にラリーへの参戦がなされるのか、そしてロードスター、MAZDA3に続く、マツダスピリットレーシングの名前を冠するコンプリートカーの第3弾としてCX-60が登場するのか、ますます目が離せません。

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