「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」は専用チューニングが施されたエンジンが特長

 今年初めに開催された「東京オートサロン2025(TAS2025)」のマツダブースでは、2台のロードスターが初公開されました。その名は「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」と「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」です。

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「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」

 昨年の「東京オートサロン2024」で初公開されたコンセプトモデル「MAZDA SPIRIT RACING RS concept」が、より具体的に市販化に近づいた仕様として登場したのです。しかし、1年前の東京オートサロン2024で公開されたコンセプトモデルは1台のみ、今回の2台にはどんな違いがあるのでしょうか?

 まず、「限定200台、価格は700万円」というワードで話題を呼んだエアログレーメタリックの12Rから見てみましょう。このモデルで最も注目すべきはエンジンです。ロードスターRFに搭載されている2リッターエンジンをベースに専用チューニングが施されていて、カムシャフト、シリンダーヘッド、ピストン、エキゾーストマニホールドなどが専用パーツとなっています。

 これらのパーツを手組みで組み上げて目標とする最高出力は200馬力です。自然吸気エンジンでリッター100馬力を達成していることを考えると、規制が厳しくなった現在ではこのエンジンだけで希少価値があると言えます。

「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER 12R」に搭載されるエンジンの最高出力は200馬力に到達する

 マツダからは「速さと質感にこだわった」とアナウンスされたので、単純にハイパワーなだけでなく、エンジンフィーリングにもこだわりがあると予想されます。回して楽しい自然吸気のスポーツエンジンらしいフィーリングになっているのではないでしょうか。

 ボンネットを開けると「MAZDA SPIRIT RACING」のロゴがデザインされたタワーバーが装着されていて、バンテージを巻いたエキゾーストマニホールドが顔を見せます。チューニングされた車両のエンジンルームらしさが、所有欲を高めてくれる雰囲気です。また、ヘッドカバーにはシリアルプレートが装着されており、特別なエンジンを搭載していることがひと目で分かります。

「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」は量産モデル? 2台には専用のアフターパーツも

 ポリメタルグレーのボディカラーに身を包んだもう1台は、量産モデルだとアナウンスがありました。ロードスターRFに搭載されている2リッターエンジンとスペックは同じで最高出力は184馬力となっています。こちらは500万円台前半での販売を検討しているとのことで、「2リッターのソフトトップは限定モデルだけじゃない」というのが朗報と言えます。

「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」

 2台の大きな違いはエンジンですが、その他として共通しているポイントや異なるポイントはどこにあるのでしょうか?

 まず、12R専用部品として記載されていたのがFUJITSUBO製のエキゾーストマニホールドとRECARO製のフルバケシートです。その他は共通パーツとなっているようで、展示車両は2台ともアフターパーツとしてMAZDA SPIRIT RACINGからの販売を計画している部品が装着されていました。

 まず、両車とも2リッター化に合わせて変更したポイントを見ていきましょう。ボディはトンネルブレースの板厚をアップし、剛性を向上。ラジエーターは仕様変更により冷却性が高められています。

 また、スーパー耐久のST-Qクラス参戦で得た知見を生かした新規開発のエアロパーツが装着されているほか、インテリアもアルカンターラ素材が多く使われています。そのほか、標準装備として装着されるのは、専用セッティングのサスペンション、RAYS製鍛造ホイール、Brembo製対向4ピストンキャリパーです。専用セッティングのサスペンションはNR-Aと同じようにCリング式の車高調となっていて、段階的な車高調整が可能となっているタイプです。しかしながらセッティングは専用となっていて、こちらもスーパー耐久で得たノウハウを基にセッティングされているとのこと。

「MAZDA SPIRIT RACING ROADSTER」に用意された専用アフターパーツ

 そしてアフターパーツとして設定を計画しているのはFUJITSUBO製のチタンスポーツマフラー、スポーツタイヤのヨコハマアドバンネオバAD09、スポーツアライメントキット(強化ブッシュ&ショートバンプストッパー)、ブレーキセット(スリットローター&スポーツパッド)Sabelt製4点シートベルトとなっています。これらのパーツはサーキットでのスポーツ走行を想定した設定となっていて、マツダの販売店で購入と装着が可能となるように検討しているそうです。

 アフターパーツの内容やスーパー耐久で得た知見を生かした車両開発などから考えるに、今回公開された2リッター仕様のロードスターがサーキットを主眼に開発していることが伝わってきます。

 2台とも秋ごろの登場を予定しているそうで、今後詳細がさらに明らかになっていくことでしょう。その詳細は「倶楽部 MAZDA SPIRIT RACINGアプリ」でも随時公開していくとのこと、いち早く詳細な情報を得たい人はアプリをダウンロードして登録しておくのが吉と言えそうです。

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