CX-80には3つのパワートレインが用意されている
マツダの国内ラインナップの中で最上級の3列シートSUVモデルであるCX-80が、2024年10月に発売されました。人気のクロスオーバーSUVでありながら、大人がしっかりと座ることができる3列シートを備えたモデルとして注目を集めている1台です。
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そんなCX-80にはユーザーに合わせて3つのパワートレインが用意されており、直列6気筒3.3リッターのディーゼルターボエンジンである“SKYACTIV-D3.3”を搭載する「XD」系、同じく3.3リッターのディーゼルターボエンジンにモーターを組み合わせた48Vマイルドハイブリッドの“e-SKYACTIV-D3.3”を搭載する「XD-HYBRID」系、そして直列4気筒2.5リッターのガソリンエンジンに大型モーターとプラグインハイブリッドシステムを組み合わせた“e-SKYACTIV PHEV”を搭載する「PHEV」系の3グレードが展開されています。
今回はその中でもプラグインハイブリッドモデルである「PHEV」系グレードに焦点を当て、果たしてどんなユーザーにマッチするグレードなのかを考察していきたいと思います。
そもそも「PHEV」ってなに? CX-80の「e-SKYACTIV PHEV」にはどんな特徴がある?
そもそもプラグインハイブリッドとはなんぞや、という点ですが、クルマのハイブリッドというのは内燃機関(エンジン)とモーターという2種類の動力源を持つ車両のことを指しており、CX-80のPHEV系グレードでは、2.5リッターのガソリンエンジンと、大型モーターという2つの動力源を持っているということになります。
通常のハイブリッドモデルでは、モーターを駆動させる原動力となる電気はエンジンを回すことで発電したり、減速時のエネルギーを電力として回収できる回生ブレーキを利用したりしてバッテリーに電力を蓄えますが、プラグインハイブリッドモデルでは、プラグイン、つまり外部からコンセントプラグを用いて充電ができるのです。
そのため、バッテリー容量も一般的なハイブリッドモデルよりも大きなものが搭載されており、CX-80のPHEVモデルでは、満充電で67km(カタログ値・WLTCモード)のEV走行が可能となっています。
なお充電方法は普通充電と急速充電の両方に対応しており、0%から満充電までにかかる時間は、普通充電の3kWで約7時間、6kWで約3時間、20%から80%までにかかる時間は、急速充電で約25分となっています。
タイマー充電機能も備わっており、電気料金の安い深夜帯のみ充電するといったこともできるので、より低コストで充電することも可能というのも特徴と言えるでしょう。

またCX-80のPHEVモデルでは、コンセントプラグを用いてクルマへ充電ができるだけでなく、クルマに蓄えられた電力を家庭へ供給するV2H(Vehicle to Home)機能も備わっており、V2H充放電設備を設置することで使用が可能となります。
そのため、有事の際に停電が発生してしまっても、CX-80に蓄えられた電力を住宅に供給でき、バッテリーにもともと蓄えられている電力だけでなく、エンジンを始動させて発電した電力も供給できるため、バッテリーとガソリンが両方満タンであれば、一般家庭使用電力量の約12.3日分もの電力を供給できるのです。
太陽光発電をしている場合はCX-80のバッテリーを蓄電池としても使用できるので、日中に太陽光発電で充電した電力を夜間に使用することで、電気代を抑えることもできるでしょう。
そしてV2H充放電設備を備えていなくても、車両側にAC1500W電源ソケットが備わっているため、有事の際や外出時、アウトドアレジャーなどで電化製品を使うことができるのもCX-80 PHEVの特徴となっています。
CX-80のPHEVモデルをオススメしたい人とはズバリ!
このような特徴を持っているCX-80のPHEVモデルをオススメしたいのは、やはり自宅で充電する環境がある人や、V2H設備を設置できる人、そして太陽光発電を利用している人となるでしょう。
自宅で充電する環境が整っていれば、寝ている間に深夜帯の電気料金の安いタイミングで充電が可能で、満充電で67kmも走れるとなれば平日の通勤や日常のお買い物程度であれば、ガソリンを使うことなくこなすこともできるでしょう。
そして日中の使わないタイミングでも太陽光発電を利用して充電できれば、充電コストをさらに圧縮できますし、いざという時にはV2H設備で住宅に電力を供給できるというのは心強いポイントです。
それ以外ではアウトドアレジャーなど、通常コンセントのない場所で電化製品を使いたいと考えている人にとってもCX-80のPHEVモデルはオススメです。

もちろん自宅で充電できる環境があれば最高ですが、そうでなくても外出先で電化製品を使う前に急速充電を使用して充電をするということもできますし、「チャージモード」を使用すれば、任意に設定した充電状態を目指して充電を優先しながらの走行も可能なので、目的地に着くまでに充電をしながら走行することができるのです。
ここまでお伝えしたCX-80 PHEVモデルの特徴は、PHEV系3グレードすべてに備わる機能であるため、グレード選びはそれ以外の部分の好みで選んで問題ないというのもうれしいところですし、そもそもこれらの機能までは必要ないという人には、ハイブリッドモデルやディーゼルモデルが用意されているのもCX-80の美点と言えるでしょう。