いざ試乗! S耐仕様のBRZの実力は?

 センターのIGスイッチを押し、ステアリングのスタータースイッチを押すとエンジンが始動。音量は想像よりも静かですが勇ましいサウンドで、アイドリングでも心地よいです。

 ギアを1速に入れてクラッチミート。一瞬「レーシングカーなのでシビアかな?」と心配しましたが、「量産車より若干繋がりがダイレクトかな」と言うレベルで、いたって普通。

 様子を見るために、まずは3000~4000rpmくらいでシフトアップしながら走ってみます。

 エンジンはラム圧吸気システム、完全等長エキマニ+排気システム、排気カム/吸排AVCS最適化、エンジン制御最適化などにより、2.4L-NAのまま235ps/250Nmから281ps/310Nmに出力アップ。

 となると「実用域は厳しいかな?」と思ったものの、むしろノーマルよりも乗りやすい。印象的なのはアクセルを踏んだ時の、応答の良さとレスポンスの鋭さに加えて、ノーマルよりもトルクフルな特性である事。

 例えるならば、FA24にe-BOXERのSモードのアシストをプラスしたようなイメージです。

 この辺りはエンジンだけでなく1130㎏に軽量化された車両重量の相乗効果もあるでしょう。

 そこからアクセルを更に踏み込んでいくと、段付きない滑かなフィーリングなのに回すほどに力強さが増していきます。

 量産車は7500rpmのレットゾーンの手前7000rpmくらいで伸びが甘くなるので早めのシフトアップをしたくなりますが、このエンジンは7900rpmに引き上げられた最高回転までストレスなく回るどころか、更に回っていきそうな勢い。

 出力もシッカリ付いてくるので、とにかく「気持ちいい」の一言。

とにかく「気持ちいい」エンジン!

 このように実用域から高回転域までパワフルな上にリニアな出力特性は、ある意味「究極のFA24」と言っても過言ではありません。

 出力向上したエンジン性能を使い切る6速MTは、特注の6速クロスギア(強化品)に加えてシフトリンケージの工夫などで、量産車よりもダイレクトかつスムーズな操作感で、素早い操作でも確実なシフトが可能です。

 この6速MTの特徴の1つ「フラットシフト」を試します。

 この機能はアクセルを全開(エンジン回転6000rpm以上、アクセル開度95%以上で作動)のままシフトが可能な制御で、アクセルOFF時間を抑えて駆動ロスを無くすことが目的です。

 ちなみにステアリングのスイッチで制御を2段階に調整可能で、予選用(ウサギモード)はショックが出るが素早い繋がり(ドグミッションみたいなフィーリング)。

 決勝用(カメモード)は少しだけ時間をかけるが滑らか制御(良くできたシングルクラッチ2ペダルMTのようなフィーリング)でしたが、どちらも楽に超速シフトが可能でした。

黄色いダイヤルで「予選用(ウサギ)と決勝用(カメ)」を選べる!

 一方、ダウン時はブリッピング制御が盛り込まれています。

 これはGRヤリス/GRカローラやシビックタイプRにも採用されている機能ですが、シフトダウン時にブレーキに集中でき、クルマの挙動も乱す恐れがないので、結果的に速さにも直結するのは言うまでもないでしょう。

 この機能は「MTの旨味を無くす」と否定的な人もいますが、筆者は速く走るためには必要な機能だと思っています。

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