大幅進化した「GR86&BRZ」

 燃費や騒音、排気ガス規制などが厳しくなってきたため、今や純エンジン車のスポーツモデルは世界的に見ても貴重な存在になってしまいました。
 
 トヨタとスバルが共同開発したスポーツカー「GR86/BRZ」すら次期モデルはハイブリッドかPHEVになると筆者(国沢光宏)は思います。

大幅改良を受けたSUBARU「BRZ」

 いずれにしろ純エンジン車のマニュアルミッションモデルを買えるのは長くて4年。絶版が決まれば作りきれないほど売れるでしょうから、欲しいならそろそろ動いた方がいいと感じます。

 となると迷うのが「GR86かBRZか」ということです。

 どちらも同じ車体&エンジンなのですが、意外なことに人気度は明らかにGR86が上です。販売台数もさることながら、中古車相場も10万円程度違うほどです。

 このように書くと「ディーラーの数が違う」という人もいますが、GR86を買う人の多くが全国のスバル店より数が少ないGRガレージへ行って購入するのです。

 みなさんGR86のファンであると同時に「GRブランド」のファンでもあるんだと思う。

 ただ、言うまでもなくGR86/BRZを生産しているのはスバルだし、開発の主体もスバル。何より搭載されるエンジンは水平対向だ。

 そしてスバルと言えば高性能車を得意としてきたメーカーで、常識的に考えれば本家ですし、スバルのブランドを生かすことでBRZがGR86以上に売れても不思議ではありません。

 では、クルマとしての魅力はどうなのか、発表されたばかりのD型のGR86とBRZよりを乗り比べてみました。

 幸いにも試乗日は大雨が降っており、路面はヘビーウエット。会場となった富士スピードウェイのショートコースでは「ブラックマークは付けないようにお願いします」ということでしたが、雨ならいくらでもアクセルを踏めます(笑)。

 加えて滑り始めのコントロール性もドライ路面より重要です。ということで、思い切りアクセルを踏んで確かめてみます。

 改めて紹介すると、C型までのGR86/BRZの顕著な差は、GR86はドリフト競技方向。BRZはラリー車のような味付けという点にありました。

 下に挙げたハードの違いを見ると、開発陣が意図的に狙った特性だとわかります。

1.ステアリングフィールに影響を与えるフロントのハウジングが、GR86はダイレクト感を重視した鋳鉄、BRZは1.5kg軽くなっている振動吸収性の良いアルミ。

2.リアスタビライザーは、GR86が利きを強くするため1mm太いタイプをダイレクトに装着、BRZがサブフレームを介して装着。

3.リアブレース(補強材)は、GR86が無し、BRZが有り。

4.GR86はリアを硬めにしたバネ、BRZはリアをしなやかにしたバネ。

5.電子スロットルはGR86が早開け、BRZがリニア。

 C型から新型のD型への変更点を短くまとめると、GR86はダイレクト感をキープしながらリアタイヤの滑り始めのコントロール性をBRZに寄せてきたもので、BRZはラリー車でいえば「熟成を進めた」。

 そして、両車に共通するのが、電動パワステのトヨタの制御技術を使ったことです。トヨタの電動パワステは今やステアリングフィールで世界TOPクラスとなっていて、良い意味で敏感かつ精密になっている。

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