水平対向じゃないとスバル車じゃない!?
スバルがグローバルで販売する電気自動車として、新型「ソルテラ」が日本で2022年5月に受注開始されました。
しかし、リコールにより受注を一時中断。問題が解決し、10月に受注を再開しています。
スバル車はOEMを除いて全車が水平対向エンジンを搭載しますが、ソルテラはEVなのでエンジンではなくモーターを搭載。
また、四駆システムとして「シンメトリカルAWD」もスバル車の特徴といえますが、ソルテラのAWD車は前輪と後輪をそれぞれ別のモーターで駆動する新システムを採用するなど、これまでのスバル車とは異なる仕組みが取り入れられました。
開発はトヨタと共同でおこなわれており、トヨタでは新型「bZ4X」として販売されます(サブスクリプション限定)。
そういった意味でも、新型ソルテラはこれまでのスバル車とは異なるモデルなのかと思いきや、「スバルらしいSUV」だといいます。一体どのようなところにスバルらしさを感じられるのでしょうか。
スバルらしい部分として、そのデザインが挙げられます。
新型ソルテラは、スバルのデザインフィロソフィー「BOLDER」を取り入れ、SUVとしての高い性能を表現したデザインのなかに、エアロダイナミクスへのこだわりを注入しました。
外観は、六角形の「ヘキサゴングリル」、ヘッドライトとテールライトにはコの字の「Cシェイプ」を採用するなど、ひと目でスバル車とわかるパーツを取り入れています。
さらに、フロントバンパーのクラッディングはヘッドライト周辺まで大きく覆うことで、SUVとしての力強さを強調するデザインパーツであるとともに、サイドに空気の通り道を設けて空気抵抗を低減させる役割も持たせました。
リアは左右に分かれたデュアルスポイラーが斬新なリアビューを実現するほか、リアウインドウを最大限傾斜させることによってクーペのような流麗なスタイルと空力性能の両立を図っています。
内装は、「0次安全」を重視するスバルとして、前方の視界を確保するために低く構えたインパネを取り入れていますが、フードがないトップマウントメーターや横長のマルチインフォメーションディスプレイなど、これまでのスバル車とはひと味違うデザインを採用。
スイッチ式のシフトや、ディスプレイからシームレスにつながるセンターコンソールを取り入れるなど、先進的な雰囲気も楽しめます。
一方で、ステアリングヒーターはスバル初の全周が暖かくなるタイプを採用したことや、シートヒーターが前席のみならず後席にも設定されたことは、雪国で支持されるスバルらしい点だといえます。
また、パドルシフトが付くのも新型ソルテラの特徴(bZ4Xには非設定)のひとつ。
とはいえ、パドルシフトはエンジン車のようにシフトアップ/ダウンを制御するのではなく、新型ソルテラの場合は減速度の強弱を制御するもので、減速度を強めると車速が下がることから、結果的にエンジン車と同じようにパドルシフトを使うことができます。
※ ※ ※
実際に新型ソルテラに乗り込んでみると、視界の良さが実感できます。SUVならではの高い着座位置で視界が広く、全幅1860mmという大柄なボディであっても思いのほか運転しやすく感じます。
トップマウントメーターはステアリングホイールの上から見るタイプのもので、ステアリングの上端が視界に入り込んでくるのが若干気になりますが、速度や航続距離といった運転に必要な情報をシンプルに表示しており、運転に集中できる環境が整っていました。
ただし、あと何km走れるかという情報は出ているのですが、それが充電全体の何%に当たるのかの表示がなく、EVだからこそ、その点はやや不安に感じるシーンもありそうです。
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