そもそも水平対向エンジンとは?
SUBARUといえば、水平対向エンジン(ボクサーエンジン)が象徴的です。このエンジンは、ピストンが左右に対向して動くことでエンジン内部のバランスが取れ、低重心で安定した走行性能を実現しています。
SUBARUが水平対向エンジンを採用している理由は、安定した走行と高いコーナリング性能を提供するためであり、まさにSUBARUらしさを体現する技術です。
SUBARUにとって、水平対向エンジンは単なる機械ではなく、ブランドの象徴ともいえる存在です。
水平対向エンジンの魅力は、なんといっても「低重心」と「スムーズな走行感」にあります。エンジンが低い位置にあるため、車全体の重心が下がり、安定したハンドリングとコーナリングが可能になります。また、ピストンの動きが互いに慣性力を打ち消し合うことで、振動が少なくスムーズな走りを提供します。
安全面でも、水平対向エンジンは大きなアドバンテージを持っています。エンジンの全高が低く、前面衝突時にはエンジンがキャビンに侵入しにくく、乗客へのダメージを軽減します。SUBARUの高い衝突安全性能を支えているのも、この水平対向エンジンを載せるメリットのひとつです。
SUBARUのエンジンの系譜
SUBARUの水平対向エンジンの歴史は、1966年に初めて水平対向エンジン「EA型」を搭載した車「スバル 1000」から始まります。
EA型はシンプルな設計ながら、信頼性が高く、SUBARUの技術力を証明するものでした。
第1世代となる「EA型」のエンジンは、94年にレオーネの生産が終了するまで長きにわたって生産され、SUBARUのクルマづくりの礎(いしずえ)を造ったのです。
その後登場したEJ型エンジンは、SUBARUのスポーツカー文化を支えるエンジンとなり、特にモータースポーツでの活躍が目立ちます。
EJ20型は、水平対向エンジンのポテンシャルを最大限に引き出すため、徹底的な高剛性化と効率化がなされたエンジンで、世界のラリーシーンでSUBARUを成功に導いたエンジンとしても知られています。
特に、WRC(世界ラリー選手権)での活躍がSUBARUのブランドイメージ向上に大きく貢献。現在でも多くのスバルファンをとりこにしているエンジンのひとつです。
EJ型の後を継いだのがFB型エンジンです。FB型は、環境性能向上と燃費向上を目的として設計され、軽量化と効率化を追求したモデルです。
豊かな中低速トルクによる気持ちの良い加速レスポンスが、日常での扱いやすさを提供しています。新しい技術を採用しながらも、SUBARUらしい安定感を損なわないバランスの取れたエンジンとして、人気を集めているエンジンです。
FB型をベースに開発されたFA型エンジンは、スポーティな走行性能を求めて進化したエンジンです。
そのコンパクトさ、軽量さ、そして高い性能から、多くのSUBARU車に搭載されています。特に、BRZといったスポーツカーに搭載されることで、その性能が広く知られるようになりました。
これからのSUBARUのエンジン
SUBARUはこれからも水平対向エンジンをベースに、環境に配慮した新しい技術を開発していくと考えられます。電動化の流れが進む中で、2024年10月にはSUBARU初となるエンジンとモーターを動力源とする新たなハイブリッドシステム「ストロングハイブリッド」を採用したクロストレックも発表されました。
このようにSUBARUの水平対向エンジンは、過去から現在、そして未来へと進化を続け、SUBARUファンに愛され続ける技術です。これからのSUBARUの挑戦に、ますます期待が高まります。
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