リアルは”G“耐性や”車幅感覚“が求められる
ここからは参加者の声を聞いてみたいと思います。まずは三重県から参加の岩田和歩さん。25歳の岩田さんはモータースポーツ経験こそないものの、グランツーリスモだけでなく、ほかのレーシングシミュレーターでもドライビングテクニックを磨いており、実車での体験もしてみたいと考えていたところ、このチャレンジプログラムに巡り合ったとのことです。
「実車はゲームでは感じ取れない“G”があったり、車幅感覚をつかむことや目線の送り方など、ゲームではなかなか感じることができない体験があったりして、参加してよかったと感じています」とやりがいを感じた様子。
リアルではST202型のトヨタ「セリカ」が愛車という岩田さんはラリー好きということで、サーキットでの走行だけでなく、いつかはラリーのようにクルマを振り回すような走りをしてみたいと将来の目標を語ってくれました。
リアルはバーチャルよりも情報量が多く、その処理が難しい
続いては石川県から参加の上野柊斗さん。21歳の上野さんはコロナ禍真っただ中だった高校生時、eスポーツの国体にグランツーリスモで出場。当時はゲームパッド(コントローラ)での操作だったということですが、ステアリングコントローラーを使用するようになり、さらに技術が向上したと言います。
現在はその技術を認められて、「マツダファン・エンデュランス」にもNDノーマルクラスで参戦するなど、すでにリアルとバーチャルの両方で活躍を見せているひとりです。
そんな上野さんも「実車とグランツーリスモを比較すると、実車はGや音、振動などの情報量が圧倒的に多いので、その情報をいかに処理するかが難しいところですね。操作についてもリアルとバーチャルでは特にブレーキのタッチがかなり違うので、実車で体感できる機会があるのはありがたいです」と話してくれました。
小さな頃から両親の影響もあってクルマ好きだったという上野さんですが、近年はその思いが爆発気味で、リアルもバーチャルもクルマ漬けの生活とのこと。ゆくゆくはスーパー耐久、そしてスーパーGTへ参戦したいと目標を語ってくれました。
今回のサーキット走行体験参加者の中から選抜されたメンバーは、今後国内の各サーキットで実施される「マツダファン・エンデュランス」への参戦機会が与えられるということで、どの参加者も真剣にプログラムに取り組む姿が見られましたが、なにより楽しそうにクルマを操っている姿が印象的でした。
このチャレンジプログラムは今後も継続的に実施していく予定とのことですので、腕に覚えのある人はグランツーリスモでの大会が実施されるまで、さらに腕を磨いておいてみてはいかがでしょうか。