事故を未然に防ぐ環境を整える！？

　SUBARUが掲げる「0次安全」とは、事故を未然に防ぐための基本的な安全思想や技術のことを指します。

　SUBARUは創業当初から、この0次安全を非常に重視してきました。そのルーツは前身である「中島飛行機」という航空機メーカー時代にさかのぼります。

　航空機は、ちょっとした操作ミスや判断ミスが大事故につながるため「そもそも事故を起こしにくい」設計が求められます。この安全思想を受け継いだSUBARUは、まずカタチや操作系といったクルマの基本的な設計を工夫。ドライバーが正確な認知、判断、運転操作をおこなえることが何よりも大切だと考え、運転以外のことに気を使うことのないよう、見やすく、使いやすく、疲れにくいドライビング空間を追求しています。

「見やすさ」の点で事故を起こしにくいクルマとは、「ドライバーが危険に早い段階で気付くことができるクルマ」だと考えられます。

　そこで、ピラーの配置や窓ガラスの形状に工夫を凝らし、死角を最小限にすることで、どのウインドウからでも身長1m程度の子どもを視認できるように設計。さらに、夜間や雨天時など、さまざまな環境を考慮して視認性を高める工夫も施されています。

　たとえば「ステアリング連動ヘッドランプ」は、カーブや交差点を曲がる時に、ステアリングの動きに連動してヘッドランプの光軸を動かし、進行方向を照らすことで、車両や歩行者をいち早く認識できるよう工夫したものです。これにより、夜間走行時の安全性が大きく向上しています。

　また、シートやペダルの位置も人間工学に基づいて細かく設計されており、さまざまな体格のドライバーが適切なドライビングポジションを取れるように工夫されています。これにより、自然で正しい運転操作が可能となり、万が一のときの回避行動もしやすくなります。長時間運転しても疲れにくい設計で、注意力の維持にも貢献します。

　さらに、スイッチやレバー類は視線移動が少なくて済む直感的なインターフェースにより、ドライバーが運転に集中できる環境が提供されています。これも0次安全の重要なポイントです。

　SUBARUが提供する0次安全は、他の先進的な安全技術と組み合わせることで、より高い効果を発揮します。

　例えば、アイサイトなどの運転支援システムと連携することで、ドライバーの運転ミスを車両側がカバーし、安全性能が一層強化されます。

　0次安全は、車両の基本性能を高め、事故を未然に防ぐ重要な安全思想です。この0次安全が確保されることで、ドライバーだけでなく、同乗者や周囲の人々に安心感を提供し、より安全な運転環境が実現するのです。