スバルが作った究極のBRZとは

 スバルは2022年からスーパー耐久シリーズ(以下:S耐)のST-Qクラス(開発車両が参戦可能なクラス)に社内チーム「Team SDA Engineering」から開発車両「BRZ CNFコンセプト」で参戦を開始。
 
 その目的はCN燃料の実証実験、次期モデルに繋がる先行開発、そして人材育成と、モータースポーツを通じての「未来のスバルづくり」。
 
 中でも同じ志で参戦を行なうROOKIE RacingのGR86 CNFコンセプトとのガチンコ対決は、毎戦白熱したバトルを見せてくれました。

スバルが作った究極のBRZとは

 そんなBRZ CNFコンセプトは2024年5月に行なわれた富士24時間耐久レースを最後にWRX S4をベースにした次期開発車両「ハイパフォーマンスX フューチャーコンセプト(ハイパフォX)」にバトンを渡しました。

 つまり、FR/NAエンジンからAWD/ターボへのステップアップとなります。

 総監督の本井雅人氏は、「約2年半の活動を通じて『人』と『クルマ』が進化しました。人に関しては分野間の壁を壊し、クルマ屋目線のエンジニアがたくさん育ちました。マシンに関しては全方位で進化させた事で、NAエンジンのまま3秒のタイムアップ(富士スピードウェイ比)を実現しましたが、『やり切ったか?』と言われると課題を残したのも事実です。ただ、この辺りは次のクルマに継承しながら進化」と語ってくれました。

 このマシンの初陣からずっと取材をしてきた筆者(山本シンヤ)は、以前から「その成果をどこかで試してみたい」とお願いをしていましたが、ついに実現。

 栃木県佐野市にあるスバル研究実験センター(SKC)の高速周回路で試乗を行なってきました。

 ロールケージを跨いでドライバーズシートに座ります。

 シートはフルバケットでポジションも下げられていますが、シートスライドはノーマルと同じレバー式のまま。ハーネスも素早く装着できる工夫が随所に。

様々な経験を経て進化し続けたBRZの中身とは

 レースに不要なパーツは外されていますが、基本的には量産車と変わらず。ただ、インパネセンターは空調/オーディオの代わりに、機能系スイッチがレイアウトされています。

 その多くは操作が確実に解るトグル式で用途に合わせて色分けが行なうなど、誤操作させない工夫も(実は過去のレース時にトラブルがあった反省を活かし改良済み)。

 小径ステアリングにはイグニッション、ウインカー、ディスプレイ表示変更、無線、FCY(50㎞/hに制限)、更にはブリッピングレベル調整などの走行中に使用する頻度の高いスイッチをレイアウト。

 実際に走行中に使ってみましたが、ステアリングから手を離さずに確実に操作が可能でした。

 メーターはワンオフのフル液晶タイプ(モーテック製)を採用。

 スピード/タコメーターのデザインは量産車と同じですが、左右の表示部はスイッチ1つで様々なクルマの情報が表示可能。

 視認性の高さは言わずもがな、デザインも量産車より凝っていてカッコいいです。

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