SUVだけどスポーティカーみたい!?
ソルテラには新開発のEV専用プラットフォーム「e-SUBARU GLOBAL PLATFORM」が搭載され、走行性能や安全性能、実用性などの高性能化を実現。AWD車はフロント/リアに各80kWのモーターを搭載しています。
これまでスバルが培ってきた知見を活かした高剛性のプラットフォームに、重いバッテリーを低い位置に載せることにより、低重心の水平対向エンジンを搭載したモデルのような高い走りの質感を実現しているといいます。
一般道では、とくに交差点を曲がるときなど、低重心で剛性の高さが効いているのだと思いますが、SUVなのにまるでスポーツカーのような挙動でソルテラはスルっと曲がることができます。
モーター駆動ならではのリニアな加速により、キビキビとした走りを可能にしているところは高速道路の走行で好印象。合流時や追い越し時の加速がスムーズかつ安定感があり、高速で走っていることを感じさせないところに驚かされました。
さらに、走行中でも車内が静かなことも特徴といえ、ロードノイズがほとんどなく、「ハーマンカードン」のオーディオで高音質の音楽を聞きながらリラックスして運転できます。
高速道路では途中の赤城高原SA(群馬県)で30分の急速充電をおこない+100kmの走行が可能に。しかし同時に雪がちらつき始め、水上ICに到着するときには吹雪に変わりました。
ひとつ困ったのは、フロントガラスに降り積もる雪です。凍り付くのを防ぐためにフロントガラスのデフロスターを作動させたのですが、これはエアコンを作動させるのと同じで航続距離がガクンと減ります。
充電した後だったのでデフロスターを作動させて雪を解かすことを優先したものの、充電が少なくなっているときに同じ状況になったらと考えると、少々不安が残ります。すぐに止んだのでソルテラに降り積もることはなかったのですが、この点はEVが雪に弱いといわれるポイントのひとつといえそうです。
今回スタッドレスタイヤは、ブリヂストンのブリザック DM-V3を装着。AWDシステムの巧みな制御のおかげで積雪路、凍結路、シャーベット路でも滑ることなく安心感のある雪上走行が可能でした。また、ゲレンデまでの積雪した峠道もモーターの力でぐんぐん登っていくなど、ソルテラはSUVらしい頼もしい走りを見せてくれました。
EVでも無事にスノーボードに行くことはできましたが、天候が悪化したときは立ち往生する可能性もあり、その点、充電に関しては課題があることを実感。
ガソリン車は数分の給油で満タンにできますが、EVは急速充電だと80%程度までの充電とされており、外出先で満充電にできないのが不安につながるのではないかと感じます。
帰りは関越道の上里SA(埼玉県)で急速充電をおこなったのですが、1か所しかない急速充電器には先客の日産「リーフ」がおり、5分ほど待ってから充電開始となりました。
充電中のEVがあとどれくらいで終わるのかがわからないので、そこで待つべきか、先のSA/PAまで行くべきかの判断が難しいところ。実際、ソルテラを充電中に来たテスラは次のSA/PAへ向かい、そのあとやってきたメルセデス・ベンツのEVはソルテラの充電完了を待つことに。
このように次々とEVが充電しにくることにも驚かされましたし、充電器が足りていない現状を目の当たりにしました(上里SAでは急速充電器の追加設置工事中)。
どんどん増えるEVに対応するためには急速充電器の拡充が急務であることに加え、数に限りがある充電器をスムーズに使うためにはマナーやルールを守ることが大切です。
そして可能であれば、スキーやスノーボードをしている間に充電ができるよう、数時間かけて充電する普通充電器がゲレンデの駐車場に設置されるようになったりすると、EVであっても不安なくウインタースポーツを楽しめるようになるのではないでしょうか。
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