レヴォーグにハイパワーな「STIスポーツR」追加
2020年に2代目にフルモデルチェンジされたスバル「レヴォーグ」。次世代スバルを引っ張る存在としてパワートレイン、プラットフォームそしてデザインを含め全てが刷新されました。
実際にステアリングを握ると、初代レヴォーグの良さがさらに引き上げられた印象を実感。その評価は筆者(山本シンヤ)だけでなく多くの人が認めており、2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤーも受賞しました。
しかし、その実力とは裏腹に直近の販売台数が少々伸び悩んでいることが少々気になっていました。ステーションワゴン市場の減少もあると思いますが、筆者は初代にあって2代目にない“アレ”の存在も大きいと思っています。
アレとは何か? それは初代の2リッター直噴ターボの後継となる高出力パワートレインでしょう。
そんななか、レヴォーグ初の年次改良が2021年11月に実施され、サンルーフの設定や各種機能の追加、ボディカラー追加など細かい変更に加えて、何と2.4リッター直噴ターボ(FA24)+スバルパフォーマンストランスミッション(SPT)を搭載したフラッグシップ「STIスポーツR」が追加設定されました。
初代の累計販売台数(約14万台)のうち2リッター直噴ターボは約2割(約3万台)でした。この高い販売比率が後押しし、「レヴォーグには無くてはならない存在」、「WRX S4と並ぶスポーツの柱には重要なモデル」と判断、投入が決定されました。
実際に乗ったらどうだったのでしょうか。今回は一般公道ではなくサーキット(袖ヶ浦フォレストレースウェイ)での試乗です。
やはり多くの人が気になるのは、1.8リッター直噴ターボ(CB18)との違いでしょう。そこで同エンジンを搭載したSTIスポーツとの差を中心に紹介していきたいと思います。
レヴォーグ STIスポーツRのエンジンは、同時に発表された新型「WRX S4」と同じユニットになります。275馬力/375NmのパフォーマンスはCB18に対して98馬力/+75Nmの「力強さ」と「余裕」はいうまでもありませんが、筆者がそれよりも驚いたのは「応答性」と「滑らかなフィーリング」です。
具体的にいうと、CB18は水平対向が苦手とする実用トルクや応答性に徹底してこだわったユニットですが、それが完璧かといわれると2000~3000rpm付近の過給の段付きやリニアトロニックなどから、初代ほどではないものの、意のままの運転をするためにはあらかじめ“ラグ”を予測した運転が求められました。
しかしFA24はその必要がなく、ドライバーの操作に対して忠実かつ俊敏な加速をします。
この辺りは+600ccを活かした実用域トルクアップと新ターボ制御(電子制御エアバイパスバルブ/電子制御ウエストゲートバルブ)による応答性アップに加えて、CVTが苦手な「レスポンス」、「応答性」をより高めたSPTの相乗効果も大きいです。
その結果、実用域からトップエンドまで応答遅れが少ない上に段付きのない滑らかな加速を可能にしています。
もしかしたら「ターボらしさ」は感じにくいかもしれませんが、パワートレインの洗練度という意味では、レヴォーグに走りの世界観に合った仕上がりだと思っています。
ちなみにドライブモード「スポーツ/スポーツ+」を選択すると8段の疑似変速&スポーツ変速制御となりますが、CVTを忘れてしまうほどのキレのあるフィーリングとパドルいらずのシフト制御(ダウン時にはブリッピングも)は、CB18にも是非とも水平展開してもらいたいものです。
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