優れた視界が生み出すスバル車の安心感とは
昨今は、衝突被害軽減ブレーキからサイド&カーテンエアバッグまで、クルマの安全装備が大幅に進化しました。交通事故はクルマにとってもっとも深刻なダメージを与えるので、事故を防ぐ安全装備の進化は大切です。
ただし安全性には、内外装のデザインから各種の機能まで、クルマのすべてが影響を与えます。
例えばエアコンの温度を調節するスイッチが使いにくいだけでも、ドライバーの運転に対する集中力を妨げる瞬間が生じ、これは運転ミスと交通事故の原因になることがあるのです。
安全装備は大切ですが、それだけで安全運転がおこなえるわけではありません。
とくに最近は視界の悪いクルマが増えました。
メーターや各種モニター類の情報表示量が増えたことで、画面のサイズも拡大。道路標識の表示などは安全性を高めますが、その一方で、メーターやモニターが大きくなるとインパネの上端部分も高くなり、前方が見にくくなるのです。
また、外観の見栄えを重視してサイドウインドウの下端を高めると側方視界が悪くなり、そのボディサイドに合わせてリヤウインドウをデザインすると真後ろも見にくくなります。
このような側方と後方視界の悪いクルマは、運転席に座ると、車両に潜り込んだような感覚になります。とくに小柄なドライバーは、周囲が見にくいです。安全運転には、クルマの周囲に潜む危険の早期発見が大切で、各種のセンサーだけでは達成できません。前後左右ともに、しっかりと見えることが不可欠です。
また昨今その販売が好調なミニバンやSUVは、着座位置が高く設定され、遠方が良く見える代わりにボディの左側面や真後ろの死角が増えます。
このように現代のクルマのデザインは視界に関して注意点が多いですが、そうしたなかスバルは以前から「0次安全」に取り組んできました。
0次安全とは「そもそも事故を起こしにくいクルマ」を目指し、車両の形状や操作系などの基本設計から安全に関する工夫をする考え方です。
具体的には、前後左右のどのウインドウからでも、高さ1mの物体がドライバーに見えるようデザインされています。年齢別に見た歩行中の交通事故死傷者数で、事故の被害に遭いやすいというデータのある小学校1年生の平均身長が116cm前後ですから、そうした子どもの姿も見え、事故防止に役立つというわけです。
視界に対するスバルの配慮は、スバル車の外観を見ると分かりやすいです。
「インプレッサ」から「フォレスター」まで、フロントピラーとウインドウの角度を比較的立てて、手前(ドライバー側)に引き寄せています。このようにデザインすると、斜め前方の視界が遮られにくく、右左折するときも横断歩道上の歩行者を見落としにくいのです。
ボディの側面にも特徴があります。サイドウインドウの下端をあまり高めず、水平基調に仕上げることです。
このボディ形状なら、側方/斜め後方/真後ろの視界も悪化しにくく、後退しながら車庫から出たり、縦列駐車したりするときも安心です。
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