初代とは違う!? 新型BRZの雪上性能とは?
高速道路のインターを降りてからは山坂道を進みます。
気温が下がるにつれて、圧雪&アイスバーンが混在する路面に変化。初代モデルはテールを滑らせないために繊細なステアリング/アクセルワークが求められましたが、新型はとくに意識することなく普通に走れてしまうことにビックリしました。
なかでもAT車に搭載される「スノーモード」のスロットル制御はかなり優秀で、「ちょっと無理かな!?」と思うような坂道での発進も難なくこなします(といっても、限界はあるので過信は禁物)。
VDC(ビークルダイナミクスコントロール)は、かなり乱暴なアクセル/ステアリング操作をしない限りは制御の介入も僅かですし、介入しても嫌な感じではなく、ソッと助けてくれている印象です。
試しに安全な場所でVDCをオフにした状態でも走らせてみましたが、初代はかなりテールハッピー(リアが滑り出しやすい状態)だった一方、新型は限界が高いのでなかなかテールは流れず、むしろ先にアンダーステアが出てしまうほどでした。
つまり、何もしなければ基本は安定方向なのですが、ドライバーが明確な操作をおこなえばFRらしい大胆な走りも可能です。
むしろテールスライドは舗装路よりも唐突なところがなく、コントロールはしやすいと感じました。
スバルのエンジニアは「新型BRZは0:100の全輪駆動」と語っていますが、雪道ではその意味がより理解できるでしょう。
さらに高い視界性能やシートヒーターの温まりの速さ、ヒーテッドドアミラーの全車標準装備化など、スポーツカーではあまり重要視されていない冬の装備も抜かりはありません。
スバル車は「雪国総合性能」を高くアピールしていますが、新型BRZも例外ではないということがわかると思います。
ひとつ気になるとすれば、サイドシルの張り出しが大きいので、そこに付着した雪や汚れが乗降時に足元に付いてしまうことくらいでした。
また、上級グレード「S」には標準装備されているけど「R」には設定のないシートヒーターのほか、「フォレスター」などに設定されるステアリングヒーターが用意されていれば完璧だと思います。
※ ※ ※
新型BRZは、走行環境や路面状況が悪いところでも安心・安定の走行性能を見せてくれました。
クルマを信頼できれば、いつでも、どこでも、誰でも冷静なドライビングができるし、それは結果として安全運転にも繋がります。
スバルのクルマづくりの根底には「安心と愉しさ」というブレない軸がありますが、それはFRもAWDも同じです。
つまり、「FRスポーツカーは雪道が不得意」は、新型BRZには当てはまらないということです。
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