クルマの素性が露わになる雪上で新型BRZを試す!
スバルのFRスポーツカー「BRZ」は、後輪駆動ならでは「走る愉しさ」や「操る歓び」が魅力ですが、それだけではありません。ほかのスバル車と同じように「グランドツーリング(GT)性能」も備わっています。
そもそも、GT性能とは何でしょうか。筆者(山本シンヤ)は「より速く」、「より安全に」、「より快適に」、「より遠くに」、「より愉しく」をバランスよく実現することだと考えています。つまり、「総合性能」が重要であるということです。
そこで、2021年7月にフルモデルチェンジした新型BRZのGT性能を探るために“雪道”に繰り出してみました。
なぜ雪道なのか。それはクルマの素性が露わになるからです。
一般的には「FRは雪が苦手」といわれがちですが、実際どうだったのでしょうか。
試乗車は17インチ(215/45R17)を履く「R」グレードの6速ATモデル。スタッドレスタイヤはヨコハマ「アイスガード7(IG7)」を装着しています。
今回は「非積雪地域の人がウインタースポーツに出かけたら?」というテーマで、自宅(静岡県)から志賀高原(長野県)までの約320kmを走らせてみました。
そもそも、コンパクトボディのFRスポーツクーペにスキーやスノーボードといった荷物は載るのかという疑問がありますが、もちろん、後席を前方に倒してトランクスルー機能を活用する必要はあるものの、新型BRZはタイヤ4本、ゴルフバック2個搭載可能なラゲッジスペースを備えているため、軽々と飲み込んでくれるので問題なしです。
高速道路はほぼ舗装路面でしたが、ステアリングに手を添えるだけでビシーッと走る直進性、滑らかで連続性の高いコーナリング、ギャップを優しくいなす足さばきを見せます。
新たに搭載された2.4リッター自然吸気エンジンはドライバビリティが高く、高速道路では17km/L前後の燃費を見せるなど、2リッターだった初代モデルから+400ccの余裕が活きています。
さらに、長年スバル車の課題のひとつだったシートの刷新とBRZ初採用のアイサイトなども相まって(AT車のみ)、スポーツカーであることを忘れるくらい「快適」で「ストレスフリー」に走ることができました。
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