「WRX S4」と同じエンジン搭載でもレヴォーグは独自の乗り味を構築
シャシ側はZF製の電子制御ダンパー(CDC)をはじめとするサスペンション、タイヤ(横浜ブルーアースGT)などはCB18のSTIスポーツから変更はありませんが、パワートレインの高出力化に合わせてAWDシステムはACT-4からVTD-AWDとし、それもアクセルON時に旋回性能重視(LSD効果を下げて差動制限を抑制)となるスポーツモード付きへと変更されています。
その走りはCB18と大きな違いはないものの、ステアリングを切り始めた時の「ノーズの入りの良さ」と「より4輪で曲がる感覚」が高まっていると感じました。
この辺りは高出力化によって絶対的なスピードが上がったことで姿勢変化が大きく出るようになった事と、基本の駆動力配分が異なるACT-4(60:40)とVTD-AWD(45:55)の特性の差が走りの差に表れたのでしょう。
ちなみに同タイミングで試乗したWRX S4とは別物。それは限界だけでなく乗り味にもいえることで、ロールが少なめでドシッとした印象のWRX S4、ロールは大きめですが身軽に動く印象のレヴォーグ STIスポーツRといった差がありました。
つまり、WRX S4とレヴォーグは単なるボディ形状の違いではなく、独自の乗り味が構築されているのです。
ちなみに、レヴォーグ STIスポーツRは海外でも展開されることになり、オーストラリアでは「WRXスポーツワゴン」、ニュージーランドでは「WRX GTワゴン」として販売されます。
欲をいうと、シャシの限界よりもタイヤの限界が先に来てしまうので、もう少しいいタイヤ(例えば、同じ横浜であればアドバンdB/V107など)を装着したほうが、クルマとしての総合的なバランスはより高まると感じました。
少し残念なのは内外装で、STIスポーツRをアピールする部分は少なく、フル液晶メーターの左側にブースト計が追加された程度。
エクステリアは専用の加飾/アルミホイール、インテリアは専用のメーカー表示やレカロ製シート(WRX S4には設定あり)やハーマンカードン製プレミアムオーディオ(アウトバックには設定あり)といった専用装備の設定があると、より所有欲も増すのではないでしょうか。
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STIスポーツとSTIスポーツRの価格差は68万2000円です。これを高いと見るか安いと見るかはユーザーの使い方次第ですが、個人的にはスバルのGT思想(より安全に/より快適に/より遠くに、より速く/より愉しく)のバランスが、より“円”に近づいた一台だと感じました。
初代の2リッター直噴ターボのユーザーでも、これなら「心の導火線」に火が付くと思います。
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