モータースポーツとBEV、どう繋がる?
スバルは2023年8月に電動化計画のアップデートを公表。
その内容は「会社の舵をバッテリーEVに切り、経営資源をバッテリーEVに集中する」と言うものです。
具体的には2028年末までにBEV8車種をラインアップし、2028年に北米でBEV40万台を狙うそうです。
2024年のS耐の活動は「将来のBEVを含めた市販車へのフィードバック」とありますが、多くの人はピンと来ていないようです。そこでズバリ、聞いてみました。
「BEVはバッテリー搭載で車両重量は重くなりがちです。
それでも『スバルらしいね』と言ってもらうには、重くても運動性能を良くするためのシャシの考え方が必要です。その実証にS耐は活用できると考えました。
つまり、重くても『速く、気持ちよく、/誰にも乗りやすい』走りの探求です」
つまり、2024年のS耐の活動は個々のモデルの開発ではなく、「次世代スバルの走り」を探求するための開発と言うわけです。
最後に多くの人が気になるWRCについて聞いてみました。
最近ではモリゾウこと豊田章男氏がスバルに「WRCへの復活」というラブコールを送っていますが、どうなのでしょうか。
本井氏は「個人的にはやりたいと思うのは当然です。ただ、やるためには『意義』がないと」
筆者はこのように考えます。スバルはこれまでのWRC参戦で「クルマ」も「人」も鍛えられてきた事は間違いありません。
ただ、残念ながら現時点ではスバルがWRCに参戦するメリットが少ないのも事実です。
例えば、世界選手権と言いながらもスバルがビジネスの主戦場する北米での開催が無い事、Rally1車両(トップカテゴリ)に適するモデルがスバルにラインアップされていない事など、マーケティングや耐費用効果なので面から見ると、旨味が少ないのです。
スバルのWRC復帰を願う豊田氏は、以前筆者にこのような話をしてくれました。
「私はFIA評議員をしていますが、以前からスレイエム会長と『Rally1が3チームじゃ少ないよね』という話はしています。
現在多くのメーカーのモデルが参戦するRally2は盛り上がっていますが、やはりWRCの頂点であるRally1を盛り上げるためには、参加者(=メーカー)を増やす必要があります。
スバルとは今も仲良くやっており、話し合いはいつもしていますよ」
つまり、スバルを“その気”にさせるためには、「WRCを変える」と言う決断も必要になってくるような気がしています。
とは言え、スバルはモータースポーツ活動の意義を良く知るメーカーです。
スバルのCTO・藤貫哲郎氏はこのように語っています。
「モータースポーツを経験すると、クルマ1台を見ることができるエンジニア、アジャイルに行動ができるエンジニアが育ちます。
そのため、S耐のプロジェクトは若いエンジニアを中心に構成しています。
量産車のエンジニアは『モータースポーツは自分達とは管轄が違うので』と言う人が多いですが、『いやいや、クルマである以上は何も変わらない。すべて量産技術に繋がっている』と言う事を、身を持って理解してもらいたいです」
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そのためには、今参戦しているカテゴリーで全力を尽くす事が大事。そのためにも皆で応援していくことが大切です。
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