トヨタが「新型マシン」を愛知で世界初公開!? ラリチャレ&WRCは繋がっている? 「ラリージャパン」から目が離せない!
FIA 世界ラリー選手権(WRC)の2022年シーズン最終戦として2022年11月10日から13日に愛知・岐阜で開催される「フォーラムエイト・ラリージャパン2022」。
すでに前戦スペインでは、2年連続でマニュファクチャラーズタイトルを獲得したトヨタですが、日本ではラリー競技(ラリーチャレンジ)を主催する立場でもあります。
日本各地で戦うラリーチャレンジと世界各地を戦うWRCにはどのような繋がりがあるのでしょうか。
TOYOTA GAZOO Racing(以下・TGR)は2017年からWRC(世界ラリー選手権)への参戦を開始しました。
WRC参戦の1番の目的は「勝つ事」ですが、ただ勝てばいいというわけではありません。
その本質は「勝利できるようなクルマづくりと、その技術を市販車へフィードバックすること」、つまり「モータースポーツを起点とするもっといいクルマづくり」に繋がっているのです。
そもそも、モータースポーツ参戦が「もっといいクルマづくり」に繋がるのでしょうか。
今や日本の自動車産業は世界トップレベル、技術やノウハウはたくさん構築され、下手をすればデータのみで車両をまるまる1台開発することも可能な時代です。
しかし、リアルワールドではデータでは予想しないことがたくさん起きます。
それを極限の状態を“経験”することで、人が鍛えられ、クルマが鍛えられます。
それがトヨタの豊田章男社長の「もっといいクルマ作り」のブレない根っこです。
そのなかでもラリーは「普段走る道でいかに速く走るか」を競うモータースポーツカテゴリー。
その最高陣となるWRC(世界ラリー選手権)は世界のさまざまな道を知り、人とクルマを鍛え、技術を高めるための最高の舞台といっていいと思います。
その一方、ラリーの入り口といってもいい存在なのが「TOYOTA GAZOO Racingラリーチャレンジ(通称:ラリチャレ)」です。
その前身となる「TRD Vitz challenge」から数えると22年の歴史を持っており、初心者にも優しいコース設定、安全かつ手軽にエントリーできることなどから「参加するモータースポーツ」の代表格として大人気で、現在は90台のエントリー枠が即日で埋まってしまいキャンセル待ちが出るほどの人気を誇っています。
ちなみにラリーはサーキットを使うレースとは異なり一般道を競技に使います。
そのため、地域や住民との連携も非常に重要です。
これはラリチャレもWRCジャパンも同じだと思いますが、広い意味で地域の「町おこし」のような役目も担っています。
そのため競技の観戦だけに留まらず、ラリーを通じて開催地域の観光やグルメといった魅力を体験するのも楽しいと思います。
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そんななか、10月15日から16日にラリチャレ第11戦「富士山おやま」が開催されましたが、その約1か月後となる11月10日から13日にWRC「ラリージャパン2022」が開催。
さらにその1週間後にはラリチャレ第12戦「豊田」が開催と、この1か月は「ラリー月間」になります。
そんなことから、この3つのラリーは“繋がり”を持たせているといいます。
実はラリチャレ第11戦「富士山おやま」では、104号車「TGR MORIZO GRヤリス」のドライバーであるモリゾウ選手は、普段のレーシングスーツではなく8月に開催されたWRC「イープル・ラリー・ベルギー」のときに着用したWRC仕様のレーシングスーツを着用。
実はこれ、WRCジャパンのPRのために、あえて「意志ある間違い」をしたといいます。
後日、モリゾウ選手に意志ある間違いから「ラリージャパン参戦ですか?」と聞いてみると「WRCなんだから、私よりレジェンドたちが走ったほうがみんなも喜ぶでしょ? なので、モリゾウはプロデュサーとして裏方に徹します」と話します。